デビュー戦

言うなれば、初心者の僕がサーキット・デビューするにあたり、
見ていられなくなったお連れさんが
スリックを履かせたレーシング・カーを借してくれたようなもの。
乗りこなせばとんでもないタイムは出るが、
乗りこなせなければ平均以下のタイムしか出せない。
さあどうする。
乗り慣れたマシンで無難に周回してなにが楽しかろう。
狙うはレコード・タイム。一発でいいから最高の記録を残したい。
余裕で臨んだ本番当日、3635万の高画素とカミソリの刃一枚の
被写界深度が手におえず、序盤は目も当てられない。
後半になりようやくマシンのポテンシャルを引き出せたとき、
数千ショットの中から三枚の作品を残せた。
このマシンと別れたくない・・・・・・。
気に入ったらいつものようにそのまま貰えるパターンでしょうかと
お連れさんに言ってみたが、さすがに手放してはくれなかった。


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