鳴き声の正体

Миру Україні

2015年04月25日 07:07

この日は最高に気分が良かった。

長い春の嵐が過ぎ、ようやく初夏を思わせる日の訪れ。

ロッドを担いでいるくせに水に背を向けレンズを昆虫や野鳥に向ける。

青空と土を踏む音、静かに流れる時間。

ちょっとくらい釣りもしとくかと、帰り際に水辺を歩いた。

二投目にまあまあのカムルチーが釣れてくれた。

二尾目はいらない。

遠くでウグイスの声が聞こえた。

どこだどこだと声の主を探す。

ウグイスは鳴けどなかなか姿を見せないらしく、

撮影難度は高いという話を聞いたことがある。


目を瞑り耳を澄ませる。ウグイスが鳴くたびその方向へ歩を進める。

少しずつ近づけていることを知り、十五回ほど鳴いただろうか。

どうやら二羽鳴いている。一羽は遠く、もう一羽が近くで鳴いていたことを知る。

ある大木まで辿り着いた。見上げる。声の主は間違いなく頭上にいる。

沢山の葉の中で動く物体が視界に入った。


ウグイス

初めての挑戦にして、してやったり。

何十年とウグイスの声を聞いてきたが、

初めて声の主を探し当てた。本当に嬉しい瞬間だった。

森を抜け、夕方の陽射しが注ぐ陽だまりに腰をおろした。

あまりの気持ち良さに舟を漕ぎだす。

今日起きた余韻の波に揺られながら。

カムルチーが追尾し、波紋が広がる。

勢いのある捕食音が鳴りウィードレスプラグが消えた。

ロッドに衝撃と重みが伝わり、リールを巻きながらロッドの曲がりを見た。

足下まで寄ってきたとき、思っていたより大きい個体に緊張が走る。

遠くでまだウグイスが鳴いている。

その鳴き声が心に沁みた。
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