サツキマス陸封型
アマゴの降海型を狙っていると、
サツキマスの陸封型が喰ってきた。
すっかり夜が明けた水辺に到着すると、
先行者と思しき地元ナンバーの車があった。
我先に水辺に立つのは失礼であるからして、
のんびり流れを眺めながら朝食をとることにした。
それにしても先の車から釣人が一向に降りてくる気配はなく、
もしかすると車の中はもぬけの殻なのかしら?
ならばと魚釣りの支度を始め、身支度を整え水辺へと歩き始めた。
一度振り返り、川に一礼して初投を。
数回投げたところで飲み物を忘れたことに気づき、
十メートルの距離を戻った。
すると、もぬけの殻のはずだった車で
釣りの支度をする人の姿があった。
挨拶をして無礼を詫びると、ずっと上流を狙っているらしく、
問題ないよと返してくださった。
ここから始まる魚釣り談義。
なかなかに有益な情報を得られたし、
サツキマスに対する僕の考え方・狙い方に
大きな問題はないようだった。
問題なのはサツキマスの個体数の少なさであり、
その少ない個体数に対し、
場所へのこだわりが邪魔をしていることが大問題だった。
本当に釣りたかったらどこそこへ行くべきだよと釣人は言い、
でも自分は行かないけどねと苦笑いしていた。
どこでなにが釣れても良いという考えの持ち主ではないようだ。
サツキマスもいいけどこの川のアマゴは素晴らしいよと残し、
互いの健闘を祈り彼は上流へ、僕は下流へと向かった。
僕はサツキマス狙いだ。
アマゴは別の季節・機会に狙えるのだから
今しかできないことに全力を注ぎたい。
そんな思いを抱えながらも、
狙い方はアマゴを狙うのと同じ。
サクラマスの狙い方がヤマメと同様であるように。
ここで喰わなきゃウソやろという場所でリュウキ70Sは喰われた。
間違いなくマス系の引きだったが、小ぶりであることもわかった。
慎重に寄せる。白く光る魚体を確認する。
ランディングネットに滑り込ませて、水際に座り込んだ。
アマゴ・・・・・・。
体高がある素晴らしい魚体。
本当だ。この川のアマゴは素晴らしいですねと心で語る。
この川に生息するアマゴはきっと数種あるはずだ。
天然魚、養殖魚、天然と養殖の交雑魚。
そのどれかはわからないが、
ここの川が育んだことに違いなく、
見事な魚体に見惚れた。
アマゴを食べればきっと美味しいだろう。
だけど僕は流れに帰す。
明らかに個体数が少ないと思われるだけに、
成魚を減らすことをしたくないからだ。
アマゴが産卵し、
子供達は川に残るものと、海へ旅立つものと別れる。
川に残ってそのままアマゴと呼ばれるもの。
降海して姿と名前を変えて川へ戻ってくるサツキマス。
一時的に川を豊かに見せかける養殖魚の放流よりも、
真の豊かな自然に触れられる日が来ることを願う。
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