純屋

  

雪山で出会ったホオジロ。
街中にもおるねんけど、
初場所ということもあって格別やなあ。
それにこれまでは釣具を持って
水の中にしか意識が向いてなかったから、
視野は狭いし聴覚は遮られ、
その存在にまったく気付かんかったなあ。

  

雪に閉ざされていた渓流へ様子を見に行ってきてんな。
道路の除雪が進んでないこともあって、
動物達の足跡以外はなく、
目の前に広がる美しい世界は静寂に包まれ、
その場にしばらく佇んでしまったなあ。
最初に現れたのは寒さもなんのそのなホオジロ達。
地鳴きがあちこちから聞こえてくる。
そして念願の、深山と名が付くに相応しい場所で
ミヤマホオジロとの嬉しい出会い。
まあ都市部にもおるらしいねんけど、
深山クワガタを捕るのも山奥の方が雰囲気あるやん。
あとはカワガラスに二回会ってシャッターを押せずやけど、
冷たい水の中に入る姿に生きる逞しさを感じた。


  

鳥屋にすればホオジロとスズメは全然違うと笑うけれど、
では、アジ・イワシ・サバを見分けられるのかと問えば、
返す言葉が見つからないらしかった。
念のためにブリとヒラマサの違いの保険を用意していたし、
意地悪なところでカムルチーとタイワンドジョウの違いや、
カワムツとヌマムツ、その他もあったがいずれも出番はなかった。

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ホオジロ
特徴的な鳴き声探しで翻弄されたあと、
諦めてタックルセッティングをしていると目の前に。