2025年02月14日
イトウは心に宿る52
イトウが泳ぎエゾヤマセミが飛来する水辺の撮影を終えてから浸水林を戻り、
不意に木陰で鉢合わせたヒグマにベアハッグされることなく無事に車まで辿り着いた。
いちいち生きている自分を実感できる尊い北海道の水系。
あらためて周囲を見渡すと車を停めた周辺は、森に隠された小さな牧草地らしく、
その隅っこの方に、またしてもタンチョウ夫婦を確認した。よく見ると子供までいる。
わざわざ有名なタンチョウ生息地に赴くことなく、
野良タンチョウと呼び捨てするとお叱りの声が届きそうだが、
辺境の僻地で特別天然記念物と出会えてしまう。
しかも独り占めときたもんで、ポートレートの世界で言うところのいわゆる個撮。
超広角レンズから500mmの超望遠レンズに交換して静かにタンチョウとの距離を詰める。
幼鳥というより若鳥と呼ぶべきか、タンチョウの子は親鳥より二回りほど小さく、
嘴から首までが優しい亜麻色に染まり、背部は白い羽毛に亜麻色が散らばる。
丹頂鶴の名前の由来である頭頂部の鮮明な赤色はまだ現れていない。
親は子に寄り添い牧草地で平和を謳歌し、僕はレンズ越しに見る親子の姿に穏やかを教わった。
タンチョウとの距離を空けて撮影しているけれど、
当然相手はこちらの存在を認めているので、必要以上に警戒心を与えないよう撮影を終えた。
車を国道へ向けて走らせていると、今度は小鳥の姿が視界の隅で動いた。
すかさずカメラを手にとり車の窓越しから姿を確認すると、
知っているような知らないような、撮ったことがあるようなないような野鳥。
それもそのはず後に調べてわかったことだが、その正体はノビタキ雄の冬羽。
以前、ノビ子と呼ばれる雌の冬羽を撮っていたが、雄であるノビ太を見たのは初めてのこと。
野鳥は親鳥・雌雄・若鳥・冬羽・夏羽の特徴が大きく異なるものもおり、
ひとつの種をとっても見た目が違うので、四季を通して見つける楽しみが増える。
遠くユーラシア大陸から日本に夏鳥として渡ってきたノビタキは、
これから寒くなる北海道を離れ気候が穏やかな南へ渡る準備をしているのだろうか。
たまたま野鳥に興味があったので旅先でこの瞬間を楽しめたが、
野鳥に興味がなければその姿を見てもなんだスズメかと気にも留めず、
もしくは野鳥の存在に気付くことなく通過していたのだろう。
なにが正解かはわからないが、僕は小さな喜びをひとつ拾うことができた。
不意に木陰で鉢合わせたヒグマにベアハッグされることなく無事に車まで辿り着いた。
いちいち生きている自分を実感できる尊い北海道の水系。
あらためて周囲を見渡すと車を停めた周辺は、森に隠された小さな牧草地らしく、
その隅っこの方に、またしてもタンチョウ夫婦を確認した。よく見ると子供までいる。
わざわざ有名なタンチョウ生息地に赴くことなく、
野良タンチョウと呼び捨てするとお叱りの声が届きそうだが、
辺境の僻地で特別天然記念物と出会えてしまう。
しかも独り占めときたもんで、ポートレートの世界で言うところのいわゆる個撮。
超広角レンズから500mmの超望遠レンズに交換して静かにタンチョウとの距離を詰める。
幼鳥というより若鳥と呼ぶべきか、タンチョウの子は親鳥より二回りほど小さく、
嘴から首までが優しい亜麻色に染まり、背部は白い羽毛に亜麻色が散らばる。
丹頂鶴の名前の由来である頭頂部の鮮明な赤色はまだ現れていない。
親は子に寄り添い牧草地で平和を謳歌し、僕はレンズ越しに見る親子の姿に穏やかを教わった。
タンチョウとの距離を空けて撮影しているけれど、
当然相手はこちらの存在を認めているので、必要以上に警戒心を与えないよう撮影を終えた。
車を国道へ向けて走らせていると、今度は小鳥の姿が視界の隅で動いた。
すかさずカメラを手にとり車の窓越しから姿を確認すると、
知っているような知らないような、撮ったことがあるようなないような野鳥。
それもそのはず後に調べてわかったことだが、その正体はノビタキ雄の冬羽。
以前、ノビ子と呼ばれる雌の冬羽を撮っていたが、雄であるノビ太を見たのは初めてのこと。
野鳥は親鳥・雌雄・若鳥・冬羽・夏羽の特徴が大きく異なるものもおり、
ひとつの種をとっても見た目が違うので、四季を通して見つける楽しみが増える。
遠くユーラシア大陸から日本に夏鳥として渡ってきたノビタキは、
これから寒くなる北海道を離れ気候が穏やかな南へ渡る準備をしているのだろうか。
たまたま野鳥に興味があったので旅先でこの瞬間を楽しめたが、
野鳥に興味がなければその姿を見てもなんだスズメかと気にも留めず、
もしくは野鳥の存在に気付くことなく通過していたのだろう。
なにが正解かはわからないが、僕は小さな喜びをひとつ拾うことができた。
Posted by Миру Україні at 07:07
│イトウ