2023年02月01日
イトウは心に宿る11
アカメが泳ぐ水辺に行くと出会った釣人達から、
尋ねてもいないのになぜかイトウ情報を聞かされた。
その釣人達はリタイヤ組で、
奥様と不仲で自分の家なのに居ずらいのか、
もしくは追い出されたか、
ご年齢から早くに奥様を亡くされたのかもしれないと想像もできるが、
いずれにせよ家から遠く離れた地で連泊し、アカメを狙っているらしい。
期間を決めずやりたい放題の釣旅が羨ましい・・・・・・と
思うわけがなく、
女とラブラブする方がいいに決まっている。
ジジイ達に選択肢があればアカメより女だろう。
多くの釣人は異性に相手をされないから、
魚にナニかを求めているはずだ。異論は認めない。
そんなアカメジジイ達から、
僕もイトウを釣りたいと勝手に決めつけられているようだが、
あろうことか図星である。
ジジイ達はきっと寂しいらしく、
誰かと会話したいのがよくわかるので、
アカメだろうがイトウの話だろうが頑なに拒むことをせず耳を傾ける。
そこで幾人の話をまとめると、
イトウは幻ではなく釣るのは楽勝であるらしい。
それだけ個体数が多いという証明ならば素晴らしいことこの上なし。
幻の魚なんていらない。
幻の魚に価値を見出すなど大きな勘違い。
天然魚が絶滅寸前になり、
幻なんて呼ばれるような不幸なことがあってはならない。
釣るのが楽勝なほどイトウの個体数が保たれているならば、
胸を撫で下ろす。
ただし、だ。
異口同音に同じ川の名前を挙げるのだ。
もしかして皆が同じ川で釣っている理由は、
個体数が多く簡単に釣れることで有名だからなのか。
もしくは個体数は多くないけれど、
実は何度も釣られるイトウがいることで、
それを知らずよく釣れると評判が立つのだろうか。
真相はわからない。
そしてここでもイトウのメーターを狙っているという
話になるのだけど、
そうなるとせっかくの釣り談義がしらける。
成長が他の魚類より極端に遅いイトウのメーター級に
価値があるのはわかるけれど、
大きく育った要因や環境の健全さを評価するのでなく、
ただ数字が欲しいというのが釣人らしい。
例えば渓魚釣りに聞く、泣き尺という表現に違和感がある。
まあそんな滑稽な表現をする釣人と交わることは
今後もないからどうでもいいのだけど。
ジジイ達から聞かされたイトウ生息河川情報は非常にありがたく、
おかげでその川へ行かないで済む。
イトウが楽勝で釣れる川なんて答えを聞いて行くほど
僕の情熱はぬるくないし、
イトウ釣人が集まる場所に行きたくない。
まあなんと素直じゃないのでしょう、
他人の意見を聞き入れて行けば近道なのに。
それにインターネットで『イトウ釣り ポイント』と検索し、
答えを見つけるのも実力の内とみなされるプログレッシブ時代なのに。
ヤフー知恵袋にイトウのポイントを教えてくださいなんて
質問と回答があっても不思議ではなく、
人には想像もできない色々な人生事情が隠されているので、
悪いことではないし否定もしない。
仮に僕が医者から余命を宣告されていたら、
形振り構わずあらゆる手段を用いてイトウを釣るかもしれない。
だけど健康に恵まれた現在の僕はイトウを求める守旧派・保守的・
コンサバ・ブラックシープ。
ではイトウのポイントをどうやって知るのかといえば、
いつか行く時のためにスクラップしてきた紙の資料がある。
古いもので昭和五十六年からあり、
バックナンバーで取寄せた書籍も数冊ある。
フィクションとはいえ釣り漫画では実在する川が舞台になっていたし、
ただこれら書籍に紹介される川の現在の状況はわからず、
確かに当時はイトウが生息していたのだろうが、
現在は絶滅しているかもしれないし、
禁漁区になっている可能性も否めない。
禁漁区でも採捕禁止でもないけれど、
生息数回復のためにイトウを保護している河川もあるようで、
地元有志が大切にされているイトウを釣るような無粋なことは
したくないのでこういった場所には行かない。
また、イトウを養殖して放流している場所もあるという。
たとえ北海道であっても念願のイトウが養殖魚というのは残念すぎる。
誤解無きよう補足すると、これはスレてしまった自分の考えであって、
放流魚や養殖魚、はたまた釣堀で喜ぶ方を蔑視するものではない。
さらには人工物が施されている場所で糸を垂らしたくない。
例えば堰堤や石積みなど護岸された岸。
釣人の姿が見える場所もやめておこう。
大自然の懐に潜り込み、
広大な湿原の中で人智を試されるとしよう、と考えていた。
しかしながらイトウを釣ったから後出しジャンケンで
書いているのかと思われそうだが、出発前の矜持である。
尋ねてもいないのになぜかイトウ情報を聞かされた。
その釣人達はリタイヤ組で、
奥様と不仲で自分の家なのに居ずらいのか、
もしくは追い出されたか、
ご年齢から早くに奥様を亡くされたのかもしれないと想像もできるが、
いずれにせよ家から遠く離れた地で連泊し、アカメを狙っているらしい。
期間を決めずやりたい放題の釣旅が羨ましい・・・・・・と
思うわけがなく、
女とラブラブする方がいいに決まっている。
ジジイ達に選択肢があればアカメより女だろう。
多くの釣人は異性に相手をされないから、
魚にナニかを求めているはずだ。異論は認めない。
そんなアカメジジイ達から、
僕もイトウを釣りたいと勝手に決めつけられているようだが、
あろうことか図星である。
ジジイ達はきっと寂しいらしく、
誰かと会話したいのがよくわかるので、
アカメだろうがイトウの話だろうが頑なに拒むことをせず耳を傾ける。
そこで幾人の話をまとめると、
イトウは幻ではなく釣るのは楽勝であるらしい。
それだけ個体数が多いという証明ならば素晴らしいことこの上なし。
幻の魚なんていらない。
幻の魚に価値を見出すなど大きな勘違い。
天然魚が絶滅寸前になり、
幻なんて呼ばれるような不幸なことがあってはならない。
釣るのが楽勝なほどイトウの個体数が保たれているならば、
胸を撫で下ろす。
ただし、だ。
異口同音に同じ川の名前を挙げるのだ。
もしかして皆が同じ川で釣っている理由は、
個体数が多く簡単に釣れることで有名だからなのか。
もしくは個体数は多くないけれど、
実は何度も釣られるイトウがいることで、
それを知らずよく釣れると評判が立つのだろうか。
真相はわからない。
そしてここでもイトウのメーターを狙っているという
話になるのだけど、
そうなるとせっかくの釣り談義がしらける。
成長が他の魚類より極端に遅いイトウのメーター級に
価値があるのはわかるけれど、
大きく育った要因や環境の健全さを評価するのでなく、
ただ数字が欲しいというのが釣人らしい。
例えば渓魚釣りに聞く、泣き尺という表現に違和感がある。
まあそんな滑稽な表現をする釣人と交わることは
今後もないからどうでもいいのだけど。
ジジイ達から聞かされたイトウ生息河川情報は非常にありがたく、
おかげでその川へ行かないで済む。
イトウが楽勝で釣れる川なんて答えを聞いて行くほど
僕の情熱はぬるくないし、
イトウ釣人が集まる場所に行きたくない。
まあなんと素直じゃないのでしょう、
他人の意見を聞き入れて行けば近道なのに。
それにインターネットで『イトウ釣り ポイント』と検索し、
答えを見つけるのも実力の内とみなされるプログレッシブ時代なのに。
ヤフー知恵袋にイトウのポイントを教えてくださいなんて
質問と回答があっても不思議ではなく、
人には想像もできない色々な人生事情が隠されているので、
悪いことではないし否定もしない。
仮に僕が医者から余命を宣告されていたら、
形振り構わずあらゆる手段を用いてイトウを釣るかもしれない。
だけど健康に恵まれた現在の僕はイトウを求める守旧派・保守的・
コンサバ・ブラックシープ。
ではイトウのポイントをどうやって知るのかといえば、
いつか行く時のためにスクラップしてきた紙の資料がある。
古いもので昭和五十六年からあり、
バックナンバーで取寄せた書籍も数冊ある。
フィクションとはいえ釣り漫画では実在する川が舞台になっていたし、
ただこれら書籍に紹介される川の現在の状況はわからず、
確かに当時はイトウが生息していたのだろうが、
現在は絶滅しているかもしれないし、
禁漁区になっている可能性も否めない。
禁漁区でも採捕禁止でもないけれど、
生息数回復のためにイトウを保護している河川もあるようで、
地元有志が大切にされているイトウを釣るような無粋なことは
したくないのでこういった場所には行かない。
また、イトウを養殖して放流している場所もあるという。
たとえ北海道であっても念願のイトウが養殖魚というのは残念すぎる。
誤解無きよう補足すると、これはスレてしまった自分の考えであって、
放流魚や養殖魚、はたまた釣堀で喜ぶ方を蔑視するものではない。
さらには人工物が施されている場所で糸を垂らしたくない。
例えば堰堤や石積みなど護岸された岸。
釣人の姿が見える場所もやめておこう。
大自然の懐に潜り込み、
広大な湿原の中で人智を試されるとしよう、と考えていた。
しかしながらイトウを釣ったから後出しジャンケンで
書いているのかと思われそうだが、出発前の矜持である。