2023年02月27日
イトウは心に宿る22
毎夜の選抜により勝ち抜いてきたルアーだが、
フルサイズのokabakoをもってしても零れ落ちてしまうので、
WF VS-3010NDMを用意してルアーを並べていく。
ミノーといえばwhiplash factoryの
サンダーバックラム・シリーズがある。
まだサンダーバックラムが世に登場しない昔に、
どうしてもwhiplash factory製のミノーを使ってみたく、
フィッシングショーで新家氏にABSミノーを切望した。
それは口だけでなく、首を長くして待っている間に、
自分でライヴワイアにリップを装着してウエイト調整を施し、
表層を泳ぐチューンド・ライヴワイアを製作。
2008年初冬の琵琶湖の浜で初陣となったが、
いきなりランカーバスを釣り上げることになる。
しかも暮夜ではなく、喰わせることが難しい朝の湖西なのだから快挙である。
二か月後に開催されたフィッシングショーへ、
雑な仕上げのチューンド・ライヴワイアを手に赴き、
改造したライヴワイアを新家氏に見て頂き、
whiplash factoryミノーの誕生を何年でも待っていることを伝えた。
これまで、ご自身でウッドを削って生み出した
ハンドメイド・ミノーでピラルクー他を釣っておられたし、
2006年秋に行われた梅田のイベントでは、
彼の地メシアナ島のラゴアに泳ぐピラルクーを喰わせた
ハンドメイド・ミノーを、この手に持って眺めることができた。
美しい外観はもとより、印象的だったのは装着されていた
ST66 4/0の大きさなのだけど、重量級フックを抱いても
アクションする性能に唸ってしまった。
さらに時は経ち、とうとう、
2015年のカタログで仮称TBR-107進行中が紹介され、
2016年のフィッシングショーで待望のベールを脱いだ。
早く動かしたい衝動に駆られながら、
ショーケースに並ぶ麗しい容姿のTBR-107を沢山撮影し、
あとは店頭に並ぶのを心待ちにした。
このとき新家氏に、僕が普段使って感じていた、
急流域での最高傑作ミノーを伝えると、
サンダーバックラムの性能はそれ以上だと申された。
えぇ、あのミノーを超えるなんて・・・・・・
俄かには信じられないと仰け反った。
常日頃から大袈裟とは無縁の控え目な表現を
心掛けてらっしゃるのにこの自信。
満を持して世に解き放たれたサンダーバックラムの潜在能力の高さは、
後に急流、いや、激流に放り込んでみて氏の言葉の真意を知る。
あれは確か早春の雪解けの水が太い流芯を生む
サクラマス釣りだった。
強い流れに対応できないミノーだと水から飛び出し使い物にならず、
ある程度流れに対応していても、
ジャークを入れるとバランスを崩して溺れるミノーもある。
サンダーバックラムは僕が知るミノーの中で最強を誇り、
正直なところ、あまりに凄くてちょっと笑ってしまった。
話は少し戻り、サンダーバックラムを激流へ放り込む前のことになる。
TBR-107を入手した初陣の厳寒期の河川では、
いつもの実績あるプラグ類で反応を得られなかったので、
TBR-107を結んだところ、いい大きさのオオクチバスを喰わせた。
何度も他のプラグを投げた後なのにこれなのだから、
参りましたと口元が綻んだ。
続いて南国の河川では大雨が降り続き濁流となり、
地元釣師はあまりの惨状に目を背け、
竿を出さず踵を返しているのか、
はたまたたまたま残業でハンカチを噛んでいるのかもしれないけれど、
川原を見渡す限り変わり者はいない。
一級ポイントの好条件かつ夕まずめに独占できるなんて、
四暗刻を聴牌、いや、
余所者の僕がこの状況に居合わせた低確率と、
釣れるであろう高確率は、九蓮宝燈九面待ちのようなもの。
水辺まで続く川原の石を踏む足も軽やかに、
いただきますと手を合わせて遠慮なく箸をつけるとする。
濁流渦巻く反転流に、whiplash factoryのイメージカラーである
ブラックに染まったTBR-107をぶち込み、
ジャークを織り交ぜ足元付近まで巻いてきたTBR-107が何者かに襲われた。
ローディーラー・ウィングド・アサシンが下に向かって引き込まれ、
ブラックシープ250の適切に設定したドラグが滑り、
予想以上の強い引きを見せたのは望外だった自己最長のスズキだった。
これだからwhiplash factoryはやめられない。
これでもサンダーバックラムのポテンシャルを
引き出せていると思えず、まだまだ僕を楽しませてくれそうだ。
北海道へはTBR-107&TBR-93の両サイズを携える。
フルサイズのokabakoをもってしても零れ落ちてしまうので、
WF VS-3010NDMを用意してルアーを並べていく。
ミノーといえばwhiplash factoryの
サンダーバックラム・シリーズがある。
まだサンダーバックラムが世に登場しない昔に、
どうしてもwhiplash factory製のミノーを使ってみたく、
フィッシングショーで新家氏にABSミノーを切望した。
それは口だけでなく、首を長くして待っている間に、
自分でライヴワイアにリップを装着してウエイト調整を施し、
表層を泳ぐチューンド・ライヴワイアを製作。
2008年初冬の琵琶湖の浜で初陣となったが、
いきなりランカーバスを釣り上げることになる。
しかも暮夜ではなく、喰わせることが難しい朝の湖西なのだから快挙である。
二か月後に開催されたフィッシングショーへ、
雑な仕上げのチューンド・ライヴワイアを手に赴き、
改造したライヴワイアを新家氏に見て頂き、
whiplash factoryミノーの誕生を何年でも待っていることを伝えた。
これまで、ご自身でウッドを削って生み出した
ハンドメイド・ミノーでピラルクー他を釣っておられたし、
2006年秋に行われた梅田のイベントでは、
彼の地メシアナ島のラゴアに泳ぐピラルクーを喰わせた
ハンドメイド・ミノーを、この手に持って眺めることができた。
美しい外観はもとより、印象的だったのは装着されていた
ST66 4/0の大きさなのだけど、重量級フックを抱いても
アクションする性能に唸ってしまった。
さらに時は経ち、とうとう、
2015年のカタログで仮称TBR-107進行中が紹介され、
2016年のフィッシングショーで待望のベールを脱いだ。
早く動かしたい衝動に駆られながら、
ショーケースに並ぶ麗しい容姿のTBR-107を沢山撮影し、
あとは店頭に並ぶのを心待ちにした。
このとき新家氏に、僕が普段使って感じていた、
急流域での最高傑作ミノーを伝えると、
サンダーバックラムの性能はそれ以上だと申された。
えぇ、あのミノーを超えるなんて・・・・・・
俄かには信じられないと仰け反った。
常日頃から大袈裟とは無縁の控え目な表現を
心掛けてらっしゃるのにこの自信。
満を持して世に解き放たれたサンダーバックラムの潜在能力の高さは、
後に急流、いや、激流に放り込んでみて氏の言葉の真意を知る。
あれは確か早春の雪解けの水が太い流芯を生む
サクラマス釣りだった。
強い流れに対応できないミノーだと水から飛び出し使い物にならず、
ある程度流れに対応していても、
ジャークを入れるとバランスを崩して溺れるミノーもある。
サンダーバックラムは僕が知るミノーの中で最強を誇り、
正直なところ、あまりに凄くてちょっと笑ってしまった。
話は少し戻り、サンダーバックラムを激流へ放り込む前のことになる。
TBR-107を入手した初陣の厳寒期の河川では、
いつもの実績あるプラグ類で反応を得られなかったので、
TBR-107を結んだところ、いい大きさのオオクチバスを喰わせた。
何度も他のプラグを投げた後なのにこれなのだから、
参りましたと口元が綻んだ。
続いて南国の河川では大雨が降り続き濁流となり、
地元釣師はあまりの惨状に目を背け、
竿を出さず踵を返しているのか、
はたまたたまたま残業でハンカチを噛んでいるのかもしれないけれど、
川原を見渡す限り変わり者はいない。
一級ポイントの好条件かつ夕まずめに独占できるなんて、
四暗刻を聴牌、いや、
余所者の僕がこの状況に居合わせた低確率と、
釣れるであろう高確率は、九蓮宝燈九面待ちのようなもの。
水辺まで続く川原の石を踏む足も軽やかに、
いただきますと手を合わせて遠慮なく箸をつけるとする。
濁流渦巻く反転流に、whiplash factoryのイメージカラーである
ブラックに染まったTBR-107をぶち込み、
ジャークを織り交ぜ足元付近まで巻いてきたTBR-107が何者かに襲われた。
ローディーラー・ウィングド・アサシンが下に向かって引き込まれ、
ブラックシープ250の適切に設定したドラグが滑り、
予想以上の強い引きを見せたのは望外だった自己最長のスズキだった。
これだからwhiplash factoryはやめられない。
これでもサンダーバックラムのポテンシャルを
引き出せていると思えず、まだまだ僕を楽しませてくれそうだ。
北海道へはTBR-107&TBR-93の両サイズを携える。
2023年02月25日
イトウは心に宿る21
トップウォータープラグとクランクベイトにワイヤーベイトがあれば
イトウ釣りは事足りるように思ったが、初めての場所で初めての魚を
相手にする時、そのような思い込みが取返しのつかない後悔を
招く気がしないでもないので、
魚食魚を釣る時の定番ルアーも用意しておく。
僕の魚釣りの、これまでとこれからにおいて、
最重要ルアーメーカーがある。
そのメーカーからプラスチック・プラグが発売されたのは1988年で、
初めて知ったのはかなり遅く、89年か90年。
ルアーの名はK-TEN、メーカーはタックルハウス。
魚釣りの情報を仕入れるのは釣具屋か、
もしくは釣り雑誌と釣り番組からが主たる情報源だったが、
K-TENの存在を教えてくれたのは、
HOT SPOTでバイトをしていた釣友だった。
K-TENの名を初めて聞いたとき、モモンガのように飛行するスキーの
ジャンプ競技を連想させ、なんちゅうダサい名前だと感じたが、
当時は驚異的な飛距離を誇るK-TEN・BKFシリーズに、
全国のスズキ・フリークが虜になったはずである。
虜になったと断定できないのは、
当時はインターネットが普及していない時代であり、、
マイミク申請してマイミク承認してくれたマイミクさんも
K-TENを使っているから今度一緒に釣りに行きましょうと、
まずはオフライン会でも仲良くなる、という時代ではなかったからだ。
おっと、いわゆるこれは揶揄であり、
インターネット回線が普及した後でも、
僕はこのようなことをしていないと誤解無きよう補足する。
K-TENブルーオーシャン・シリーズは淡海問わず、
僕を満足させるに十分な魚を呼び寄せ、
再び水に浸けることのない殿堂入りルアー群の四分の一を占めるが、
これは単一メーカー最多となる。
特筆すべきは、寒風吹きすさぶ早春の河川において、
他のルアーが風に負けて使い物にならない状況でも
鋭くポイントに突き刺さって急流を当然のように泳ぎ切り、
初めてのサクラマスに出会わせてくれたBKS90。
あらゆるシーンで出会ってきたビワコオオナマズは、
ブルーオーシャン・シリーズにMシリーズの貢献度が高い。
難攻不落のボイル祭りに投じたBKRP140を喰ってきた初めてのヒラスズキや、
立ち上がった波に乗ったBKRP140を下から襲いかかってきたスズキも
記憶に鮮明だ。
ST66#2/0を背負わせ急流のアカメを釣ることができるのも
ブルーオーシャン。
僕が好む釣座はややこしい所が多いので、
なにはともあれポイントへ到達して急流を泳ぎ切る
性能を有したルアーが前提となる。
制作者の意図することと、僕が使いたいシーンの整合性を
証明する結果が形として残っている。
まだ殿堂入りさせず徹底的に酷使中のものがいくつもあり、
奇抜さがない使いやすい基本性能は、
新たな挑戦においても信頼できる数少ないルアーだ。
そんなK-TENからはブルーオーシャン・シリーズと
M・シリーズを選抜した。
K-TENの名前が呼んだ懐旧の情により、
懐かしい釣具屋の名前も飛び出してしまった。
ルアー専門店が少なかった時代に開店され、
店長のお人柄は好感度が高く、お店に行けば楽しい時間を過ごした。
関西ローカルテレビ局の、なんとかヒットという釣り番組で
解説をされていたことを露知らず、
随分経ってからご本人であることに気付いたという笑い話もある。
閉店されて久しいが、偶然お会いした時はお変わりない姿に安堵した。
2023年02月22日
イトウは心に宿る20
イトウルアー選抜大会で上位を占めるのは、
やはりトップウォータープラグ勢となり、
ペンシルベイト以外の指名プラグは、
ラパラ・スキッターポップ、
アーボガスト・ジッターバグ、
ダイワ・リブンシケーダを選出。
これらは冗談で選んだのではなく真剣だ。
特にリブンシケーダへの期待は大きく、
人生二尾目のオオクチバスをリブンシケーダで釣ったことにより
情愛が深い。
ただしナマズはよく釣れるが、
オオクチバスがよく釣れるかとの問いには口をつむぐしかない。
リブンシケーダのパッケージの裏に、
『スレたビッグバスのシークレットメソッドとして爆発的な
釣果を生んでいる超早引きメソッド』とあるが、
ダイワの看板を背負ったプロが、スレた、しかもビッグバスの爆発的な釣果を
生み出したのだろうか。
スレたビッグバスの爆発的釣果を生み出す潜在能力を持つのだから、
バスのトーナメントを総嘗めし、
変顔でバスを高々と持ち上げる姿をダイワのHPで拝めるはずなのだけど。
ウイニングルアーで一躍有名になれば、
店頭では品薄となり、オークションで競り合い高騰するはずなのに、
鳴かず飛ばずなのはなぜなのだろう。
嘘・大袈裟・紛らわしいことは、
日本広告審査機構が月にかわっておしおきしてくれるのだけど、
そもそもこんな幼稚なコピーに踊らされる釣人は
皆無だったのが現実ではないだろうか。
散々虐げておきながら、ここに汚名返上の機会を設けたい。
ことスズキ釣りにおいてのリブンシケーダの有効性を
認める者は、津々浦々探して見つかるかどうか。
全国のスズキ・フリークに鼻で笑われそうだが、
僕は好んでスズキに向かって投げており、
そのうちの一尾が凄かった。
いつかの秋の夜、
リブンシケーダが流芯脇に入った刹那えげつない出方をしたが、
スズキの気持ちを代弁するならば、
よりによってゲテモノみたいなルアーを喰ってしもうたわ、
と言わんばかりの憤怒のエラ洗いで暴れ狂いフックアウト。
天を仰ぐほど、逃がした魚は過去最大級だった。
リブンシケーダは普通に動かしても拍子抜けするだけで、
とても釣人に優しくない使い心地なのだけど、
そこをなんとかするのが蝉使いの腕の見せ所であり、
僕が釣らなきゃ誰が釣るってなもので、
このプラグの潜在能力を引き出すことは僕のつとめだ宿命だ。
河畔林を流れる湿原河川で、
覆いかぶさる樹木の下にリブンシケーダを落とし、
川面で特有のどんくさい動きをさせていれば、
そこはかとなくイトウが喰ってくれそうな気がしてきた。
それが現実となれば、僕はブログ純屋にこう書き記す。
リブンシケーダは名だたるイトウルアーを差し置いて、
スレたビッグイトウのシークレットメソッドとして爆発的な
釣果を生んだ、と。
それに触発された読者がリブンシケーダを買い求め、
いざ投げて動かしてみるのを想像してほくそ笑む。
やはりトップウォータープラグ勢となり、
ペンシルベイト以外の指名プラグは、
ラパラ・スキッターポップ、
アーボガスト・ジッターバグ、
ダイワ・リブンシケーダを選出。
これらは冗談で選んだのではなく真剣だ。
特にリブンシケーダへの期待は大きく、
人生二尾目のオオクチバスをリブンシケーダで釣ったことにより
情愛が深い。
ただしナマズはよく釣れるが、
オオクチバスがよく釣れるかとの問いには口をつむぐしかない。
リブンシケーダのパッケージの裏に、
『スレたビッグバスのシークレットメソッドとして爆発的な
釣果を生んでいる超早引きメソッド』とあるが、
ダイワの看板を背負ったプロが、スレた、しかもビッグバスの爆発的な釣果を
生み出したのだろうか。
スレたビッグバスの爆発的釣果を生み出す潜在能力を持つのだから、
バスのトーナメントを総嘗めし、
変顔でバスを高々と持ち上げる姿をダイワのHPで拝めるはずなのだけど。
ウイニングルアーで一躍有名になれば、
店頭では品薄となり、オークションで競り合い高騰するはずなのに、
鳴かず飛ばずなのはなぜなのだろう。
嘘・大袈裟・紛らわしいことは、
日本広告審査機構が月にかわっておしおきしてくれるのだけど、
そもそもこんな幼稚なコピーに踊らされる釣人は
皆無だったのが現実ではないだろうか。
散々虐げておきながら、ここに汚名返上の機会を設けたい。
ことスズキ釣りにおいてのリブンシケーダの有効性を
認める者は、津々浦々探して見つかるかどうか。
全国のスズキ・フリークに鼻で笑われそうだが、
僕は好んでスズキに向かって投げており、
そのうちの一尾が凄かった。
いつかの秋の夜、
リブンシケーダが流芯脇に入った刹那えげつない出方をしたが、
スズキの気持ちを代弁するならば、
よりによってゲテモノみたいなルアーを喰ってしもうたわ、
と言わんばかりの憤怒のエラ洗いで暴れ狂いフックアウト。
天を仰ぐほど、逃がした魚は過去最大級だった。
リブンシケーダは普通に動かしても拍子抜けするだけで、
とても釣人に優しくない使い心地なのだけど、
そこをなんとかするのが蝉使いの腕の見せ所であり、
僕が釣らなきゃ誰が釣るってなもので、
このプラグの潜在能力を引き出すことは僕のつとめだ宿命だ。
河畔林を流れる湿原河川で、
覆いかぶさる樹木の下にリブンシケーダを落とし、
川面で特有のどんくさい動きをさせていれば、
そこはかとなくイトウが喰ってくれそうな気がしてきた。
それが現実となれば、僕はブログ純屋にこう書き記す。
リブンシケーダは名だたるイトウルアーを差し置いて、
スレたビッグイトウのシークレットメソッドとして爆発的な
釣果を生んだ、と。
それに触発された読者がリブンシケーダを買い求め、
いざ投げて動かしてみるのを想像してほくそ笑む。
2023年02月20日
イトウは心に宿る19
初めてのイトウ狙いでの一投目は、釣座にもよるが
トップウォータープラグになるだろう。
ただし持って行くのがそれのみは無謀というもので、
潜るタイプだのなんだのと必要になってくる。
だからといって、
『イトウ釣り 人気ルアー』などとインターネットで検索するほど
落ちぶれていない。
例えば検索結果を参照するとき、
それっぽい記事を鵜呑みにして感化されるようでは、
陰謀論などという幼稚な説に洗脳されてしまう。
記事を書いているのはどこかで生活しているひとりの人間であり、
その人は何者で、どれほどの釣歴と経験があり、
どれだけの実績を残しているのかを想像し、
その記事の内容は信用に値するのかを冷静に判断する。
言葉は悪いが、自分より劣ると判断すればその情報は当てにならない。
釣っていなくてもいいし、釣れそうという表現にも問題はないけれど、
己のサイトからルアー売ろうとする魂胆が見え隠れしていたり、
名人気取りの割には証拠を示さず、
あたかも釣っているような眉唾ものの記事に人間が
釣られるとはこれいかに。
個人の他に、あるメーカーのルアーの紹介が酷かった。
文章はうろ覚えだけど、ランカーの実績を重ねた
シークレットルアーだったと。ウソつけ。
一歩譲って、発売前はシークレットルアーだとしても、
発売する際にこれまで釣ったランカーとやらを
堂々と見せればいいじゃないか。
大きな宣伝になる結果をひた隠しにするとは、
なんと稚拙、もとい、控え目な販売戦略が涙ぐましい。
このメーカーだけでなく他にも散見するが、御里が知れる。
けったいな宗教しかり詐欺しかり、人間社会に蔓延る騙す側の人間。
悲しいかなそれらを駆逐できないのも現実なので、
低次元のアホな輩に騙されないよう聡明に生きたいものだ。
イトウの食性は肉食であるが、魚食性に偏っているように思えなかった。
イトウが潜む湿原河川に生息する生き物の中に甲殻類がいる。
イトウの習性と潜む環境から推理すると、
在来種のニホンザリガニや、
日本の侵略的外来種ワースト100に選定されているウチダザリガニを
喰っているはずで、
そうなればクランクベイトが面白そうだ。
水深が浅いならファッツオーで、
淵の底に入れるならウイグルワート、
想像以上に水深があるならホッテントット。
近代的クランクベイトを知らないのが露呈し、
時代錯誤も甚だしいと思うことなかれ。
ラパラのファットラップFR7だって持っていく。
食性を鑑みればこれらが有効に思えるのだけど、
他にも湿原河川のややこしい水底事情には、
根掛かりし難いルアーの特性が生きてくると考えた。
そもそもネズミだのカエルだのヘビだのと、
水面を泳ぐ生き物を襲う習性のある魚なのだから、
シルエットがミノーシェイプでないと喰わない、
なんてことはないはずだ。
ネズミやカエルなら
WHIPLASH FACTORYのウィードレスプラグが面白いのに、
流水域で本領発揮は難しいかもしれないと思いつつも候補に。
岸から覆いかぶさる陸生植物と倒木が絡んだ複雑な所を
目の当たりにすれば、通常のルアーが投げられず誰も攻めたことが
ないはず。それ即ち釣ったも同然。
ウィードレスプラグを岸に生える陸生植物に乗せるように投げたのち、
ロッド操作で倒木下の水面に甘い音を立てて着水させると、
水底から大きな影が浮いてきた・・・・・・なんて想像を膨らませると、
持って行くルアーが際限なく増えていく。
そうか、それなら圧倒的に根掛かりしにくいスピナーベイトだって、
かなり有効ではないだろうか。
ルアーの特性から表層から底層まで探れ、
倒木だの流木だのなんのその。
河川によっては沈水植物が水面まで繁茂しているかもしれず、
そうなればバズベイトも必要だろう。
WHIPLASH FACTORYのブリッツクリーグ、S.O.B、ノイズアディクトの
各色をokabakoに並べる。
こうなってくるとイトウは釣れるのだろうかという情けない不安は
吹けば飛ぶようなもので、
どれで釣ろうかとますますヒートアップする、
毎夜のイトウルアー選抜大会。
トップウォータープラグになるだろう。
ただし持って行くのがそれのみは無謀というもので、
潜るタイプだのなんだのと必要になってくる。
だからといって、
『イトウ釣り 人気ルアー』などとインターネットで検索するほど
落ちぶれていない。
例えば検索結果を参照するとき、
それっぽい記事を鵜呑みにして感化されるようでは、
陰謀論などという幼稚な説に洗脳されてしまう。
記事を書いているのはどこかで生活しているひとりの人間であり、
その人は何者で、どれほどの釣歴と経験があり、
どれだけの実績を残しているのかを想像し、
その記事の内容は信用に値するのかを冷静に判断する。
言葉は悪いが、自分より劣ると判断すればその情報は当てにならない。
釣っていなくてもいいし、釣れそうという表現にも問題はないけれど、
己のサイトからルアー売ろうとする魂胆が見え隠れしていたり、
名人気取りの割には証拠を示さず、
あたかも釣っているような眉唾ものの記事に人間が
釣られるとはこれいかに。
個人の他に、あるメーカーのルアーの紹介が酷かった。
文章はうろ覚えだけど、ランカーの実績を重ねた
シークレットルアーだったと。ウソつけ。
一歩譲って、発売前はシークレットルアーだとしても、
発売する際にこれまで釣ったランカーとやらを
堂々と見せればいいじゃないか。
大きな宣伝になる結果をひた隠しにするとは、
なんと稚拙、もとい、控え目な販売戦略が涙ぐましい。
このメーカーだけでなく他にも散見するが、御里が知れる。
けったいな宗教しかり詐欺しかり、人間社会に蔓延る騙す側の人間。
悲しいかなそれらを駆逐できないのも現実なので、
低次元のアホな輩に騙されないよう聡明に生きたいものだ。
イトウの食性は肉食であるが、魚食性に偏っているように思えなかった。
イトウが潜む湿原河川に生息する生き物の中に甲殻類がいる。
イトウの習性と潜む環境から推理すると、
在来種のニホンザリガニや、
日本の侵略的外来種ワースト100に選定されているウチダザリガニを
喰っているはずで、
そうなればクランクベイトが面白そうだ。
水深が浅いならファッツオーで、
淵の底に入れるならウイグルワート、
想像以上に水深があるならホッテントット。
近代的クランクベイトを知らないのが露呈し、
時代錯誤も甚だしいと思うことなかれ。
ラパラのファットラップFR7だって持っていく。
食性を鑑みればこれらが有効に思えるのだけど、
他にも湿原河川のややこしい水底事情には、
根掛かりし難いルアーの特性が生きてくると考えた。
そもそもネズミだのカエルだのヘビだのと、
水面を泳ぐ生き物を襲う習性のある魚なのだから、
シルエットがミノーシェイプでないと喰わない、
なんてことはないはずだ。
ネズミやカエルなら
WHIPLASH FACTORYのウィードレスプラグが面白いのに、
流水域で本領発揮は難しいかもしれないと思いつつも候補に。
岸から覆いかぶさる陸生植物と倒木が絡んだ複雑な所を
目の当たりにすれば、通常のルアーが投げられず誰も攻めたことが
ないはず。それ即ち釣ったも同然。
ウィードレスプラグを岸に生える陸生植物に乗せるように投げたのち、
ロッド操作で倒木下の水面に甘い音を立てて着水させると、
水底から大きな影が浮いてきた・・・・・・なんて想像を膨らませると、
持って行くルアーが際限なく増えていく。
そうか、それなら圧倒的に根掛かりしにくいスピナーベイトだって、
かなり有効ではないだろうか。
ルアーの特性から表層から底層まで探れ、
倒木だの流木だのなんのその。
河川によっては沈水植物が水面まで繁茂しているかもしれず、
そうなればバズベイトも必要だろう。
WHIPLASH FACTORYのブリッツクリーグ、S.O.B、ノイズアディクトの
各色をokabakoに並べる。
こうなってくるとイトウは釣れるのだろうかという情けない不安は
吹けば飛ぶようなもので、
どれで釣ろうかとますますヒートアップする、
毎夜のイトウルアー選抜大会。
2023年02月18日
イトウは心に宿る18
イトウ狙いのルアーを選択するにあたり、
世間の評判だとか定番だとかそんなのさておき、
真っ先に手が伸びるのは、
イトウをこれで釣ってみたいと思い及ぶルアーに他ならない。
ルアーの分類上ハードプラグ目ペンシルベイト科
ミノーペンシル属ライヴワイア。
2002年に登場したリアリスティック・ペンシルベイトは、
WHIPLASH FACTORYの記念すべきABSプラグ第一弾。
ABSとはアンチロック・ブレーキ・システムであることは言うに及ばず、
異議は受付けない。
ABSは摩擦係数が低い、いわゆる低μ路や、
バトル中の1コーナー進入時に、
レイトブレーキで相手の前に出た際の恩恵が大きい。
ライヴワイアをバイクに例えるなら250cc~300ccクラスのモタードだ。
動きが軽快かつ操作性に優れ、
使い手の感性に応える多才な動きが魅力。
息が長いことで新色やコラボレーションカラーを含め、
多彩な色も揃えている。
投げれば姿勢を崩さず快適に飛び、
泳がせば幾度となく刺激的な水面炸裂に導いてくれた最愛のルアー。
使い始めが2005年と遅いけれど、
所有個数一位、使用回数一位、水面炸裂回数一位、
パネル指名一位などなどの輝かしい功績を持つ。
ライヴワイアに続き、基本性能に引けを取らないプラグがある。
ライヴワイア登場から二年後の2004年に発表された、
ハードプラグ目ペンシルベイト科シャッドペンシル属スピッティン・ワイア。
ライヴワイアを凌ぐ飛距離と、やけにクロダイ属に好まれる。
こちらは400cc~450ccのモタードといったところ。
流速が速いならライヴワイアで、流速が遅かったり、
アップストリームで使用するならスピッティン・ワイアを結ぶことにする。
スピッティン・ワイアと時を同じくして、
ライヴワイアLt.SW Verも発表されたが、
こちらはライヴワイア対してプラスアルファの比重により、
汽水・海水に対応したモデル。
潮汐の影響を受ける湿原河川の下流部を想定すれば、
こちらも外せない。あとは、
2006年に発表されたドライヴィン・ワイアは600ccのミドルクラス。
2014年に発表されたグラインディン・ワイア-13はリッターSS。
2019年のカタログに姿を現したライヴワイア87トラヴィエソFWは
ぶっ飛びの飛距離や軽快ウ狙いのルアーを選択するにあたり、
世間の評判だとか定番だとかそんなのさておき、
真っ先に手が伸びるのは、
イトウをこれで釣ってみたいと思い及ぶルアーに他ならない。
ルアーの分類上ハードプラグ目ペンシルベイト科
ミノーペンシル属ライヴワイア。
2002年に登場したリアリスティック・ペンシルベイトは、
WHIPLASH FACTORYの記念すべきABSプラグ第一弾。
ABSとはアンチロック・ブレーキ・システムであることは言うに及ばず、
異議は受付けない。
ABSは摩擦係数が低い、いわゆる低μ路や、
バトル中の1コーナー進入時に、
レイトブレーキで相手の前に出た際の恩恵が大きい。
ライヴワイアをバイクに例えるなら250cc~300ccクラスのモタードだ。
動きが軽快かつ操作性に優れ、
使い手の感性に応える多才な動きが魅力。
息が長いことで新色やコラボレーションカラーを含め、
多彩な色も揃えている。
投げれば姿勢を崩さず快適に飛び、
泳がせば幾度となく刺激的な水面炸裂に導いてくれた最愛のルアー。
使い始めが2005年と遅いけれど、
所有個数一位、使用回数一位、水面炸裂回数一位、
パネル指名一位などなどの輝かしい功績を持つ。
ライヴワイアに続き、基本性能に引けを取らないプラグがある。
ライヴワイア登場から二年後の2004年に発表された、
ハードプラグ目ペンシルベイト科シャッドペンシル属スピッティン・ワイア。
ライヴワイアを凌ぐ飛距離と、やけにクロダイ属に好まれる。
こちらは400cc~450ccのモタードといったところ。
流速が速いならライヴワイアで、流速が遅かったり、
アップストリームで使用するならスピッティン・ワイアを結ぶことにする。
スピッティン・ワイアと時を同じくして、
ライヴワイアLt.SW Verも発表されたが、
こちらはライヴワイア対してプラスアルファの比重により、
汽水・海水に対応したモデル。
潮汐の影響を受ける湿原河川の下流部を想定すれば、
こちらも外せない。あとは、
2006年に発表されたドライヴィン・ワイアは600ccのミドルクラス。
2014年に発表されたグラインディン・ワイア-13はリッターSS。
2019年のカタログに姿を現したライヴワイア87トラヴィエソFWは、
ぶっ飛びの飛距離や軽快感から4st250ccに喰らいつく2st125cc。
どれも湿原河川で投げるに相応しい、
何かが起きることを期待させるトップウォータープラグ達。
これらペンシルベイトもokabakoに並べる。
そもそもイトウを釣るのにトップウォータープラグを選ぶのには
深い理由があり、あの記憶は鮮烈で忘れもしない。
何十年前だったかまったく思い出せないが、
@ngling netイカザス・イクイ氏のコラムに登場した、
トップウォータープラグでイトウを釣る北海道のお仲間の
話に心を奪われた。
そのお仲間は後に別の釣行記を
スポーツ&フィッシングニュース誌に寄稿され、
小さい記事だったが僕の心を掴んで離さない。
取り扱われ方から想像すると、
多くの釣人には響かないのかも知れないが、
僕のように熱せられた心が冷めない読者もいる。
今なら図鑑や資料で知るイトウの習性や食性、
なにより顔の特徴を見ればルアーで釣りやすい魚であり、
しかもトップウォータープラグでも楽しめるのがわかる。
そうなれば真っ先に愛するライヴワイアに手が伸びるというもの。
あの日、川面が眩い南国の清流で投げたライヴワイアに
喰らいついたヒラスズキ。
予定していた数倍も大きな水柱が上がり、
寄せては走られる流芯の攻防を繰り返し、
ようやく全身を見せた時の衝撃が蘇る。
きっと湿原河川のイトウだって、
水面を炸裂させる荒々しい喰い方をしてくるのだろうと夢想してやまない。
世間の評判だとか定番だとかそんなのさておき、
真っ先に手が伸びるのは、
イトウをこれで釣ってみたいと思い及ぶルアーに他ならない。
ルアーの分類上ハードプラグ目ペンシルベイト科
ミノーペンシル属ライヴワイア。
2002年に登場したリアリスティック・ペンシルベイトは、
WHIPLASH FACTORYの記念すべきABSプラグ第一弾。
ABSとはアンチロック・ブレーキ・システムであることは言うに及ばず、
異議は受付けない。
ABSは摩擦係数が低い、いわゆる低μ路や、
バトル中の1コーナー進入時に、
レイトブレーキで相手の前に出た際の恩恵が大きい。
ライヴワイアをバイクに例えるなら250cc~300ccクラスのモタードだ。
動きが軽快かつ操作性に優れ、
使い手の感性に応える多才な動きが魅力。
息が長いことで新色やコラボレーションカラーを含め、
多彩な色も揃えている。
投げれば姿勢を崩さず快適に飛び、
泳がせば幾度となく刺激的な水面炸裂に導いてくれた最愛のルアー。
使い始めが2005年と遅いけれど、
所有個数一位、使用回数一位、水面炸裂回数一位、
パネル指名一位などなどの輝かしい功績を持つ。
ライヴワイアに続き、基本性能に引けを取らないプラグがある。
ライヴワイア登場から二年後の2004年に発表された、
ハードプラグ目ペンシルベイト科シャッドペンシル属スピッティン・ワイア。
ライヴワイアを凌ぐ飛距離と、やけにクロダイ属に好まれる。
こちらは400cc~450ccのモタードといったところ。
流速が速いならライヴワイアで、流速が遅かったり、
アップストリームで使用するならスピッティン・ワイアを結ぶことにする。
スピッティン・ワイアと時を同じくして、
ライヴワイアLt.SW Verも発表されたが、
こちらはライヴワイア対してプラスアルファの比重により、
汽水・海水に対応したモデル。
潮汐の影響を受ける湿原河川の下流部を想定すれば、
こちらも外せない。あとは、
2006年に発表されたドライヴィン・ワイアは600ccのミドルクラス。
2014年に発表されたグラインディン・ワイア-13はリッターSS。
2019年のカタログに姿を現したライヴワイア87トラヴィエソFWは
ぶっ飛びの飛距離や軽快ウ狙いのルアーを選択するにあたり、
世間の評判だとか定番だとかそんなのさておき、
真っ先に手が伸びるのは、
イトウをこれで釣ってみたいと思い及ぶルアーに他ならない。
ルアーの分類上ハードプラグ目ペンシルベイト科
ミノーペンシル属ライヴワイア。
2002年に登場したリアリスティック・ペンシルベイトは、
WHIPLASH FACTORYの記念すべきABSプラグ第一弾。
ABSとはアンチロック・ブレーキ・システムであることは言うに及ばず、
異議は受付けない。
ABSは摩擦係数が低い、いわゆる低μ路や、
バトル中の1コーナー進入時に、
レイトブレーキで相手の前に出た際の恩恵が大きい。
ライヴワイアをバイクに例えるなら250cc~300ccクラスのモタードだ。
動きが軽快かつ操作性に優れ、
使い手の感性に応える多才な動きが魅力。
息が長いことで新色やコラボレーションカラーを含め、
多彩な色も揃えている。
投げれば姿勢を崩さず快適に飛び、
泳がせば幾度となく刺激的な水面炸裂に導いてくれた最愛のルアー。
使い始めが2005年と遅いけれど、
所有個数一位、使用回数一位、水面炸裂回数一位、
パネル指名一位などなどの輝かしい功績を持つ。
ライヴワイアに続き、基本性能に引けを取らないプラグがある。
ライヴワイア登場から二年後の2004年に発表された、
ハードプラグ目ペンシルベイト科シャッドペンシル属スピッティン・ワイア。
ライヴワイアを凌ぐ飛距離と、やけにクロダイ属に好まれる。
こちらは400cc~450ccのモタードといったところ。
流速が速いならライヴワイアで、流速が遅かったり、
アップストリームで使用するならスピッティン・ワイアを結ぶことにする。
スピッティン・ワイアと時を同じくして、
ライヴワイアLt.SW Verも発表されたが、
こちらはライヴワイア対してプラスアルファの比重により、
汽水・海水に対応したモデル。
潮汐の影響を受ける湿原河川の下流部を想定すれば、
こちらも外せない。あとは、
2006年に発表されたドライヴィン・ワイアは600ccのミドルクラス。
2014年に発表されたグラインディン・ワイア-13はリッターSS。
2019年のカタログに姿を現したライヴワイア87トラヴィエソFWは、
ぶっ飛びの飛距離や軽快感から4st250ccに喰らいつく2st125cc。
どれも湿原河川で投げるに相応しい、
何かが起きることを期待させるトップウォータープラグ達。
これらペンシルベイトもokabakoに並べる。
そもそもイトウを釣るのにトップウォータープラグを選ぶのには
深い理由があり、あの記憶は鮮烈で忘れもしない。
何十年前だったかまったく思い出せないが、
@ngling netイカザス・イクイ氏のコラムに登場した、
トップウォータープラグでイトウを釣る北海道のお仲間の
話に心を奪われた。
そのお仲間は後に別の釣行記を
スポーツ&フィッシングニュース誌に寄稿され、
小さい記事だったが僕の心を掴んで離さない。
取り扱われ方から想像すると、
多くの釣人には響かないのかも知れないが、
僕のように熱せられた心が冷めない読者もいる。
今なら図鑑や資料で知るイトウの習性や食性、
なにより顔の特徴を見ればルアーで釣りやすい魚であり、
しかもトップウォータープラグでも楽しめるのがわかる。
そうなれば真っ先に愛するライヴワイアに手が伸びるというもの。
あの日、川面が眩い南国の清流で投げたライヴワイアに
喰らいついたヒラスズキ。
予定していた数倍も大きな水柱が上がり、
寄せては走られる流芯の攻防を繰り返し、
ようやく全身を見せた時の衝撃が蘇る。
きっと湿原河川のイトウだって、
水面を炸裂させる荒々しい喰い方をしてくるのだろうと夢想してやまない。
2023年02月16日
イトウは心に宿る17
北海道釣行を前に、必要な釣具を一切買い足すことをしなかった。
釣行前に釣具屋やインターネットで、
新しい道具を買い求めるのは大きな楽しみであることを重々承知している。
それでも買い足さなかったのは、
北海道釣行を念頭にしていた釣り人生だったからに他ならず、
北海道に必要と判断したものを少しずつ在庫してきたことにある。
これまで出会った釣具の中には、
淘汰されゆくもの、残るものがあり、
まだ迷いが生じている時は釣具の数が膨らむ一方で、
御多分に洩れず僕もそうであったが、
スタイルが確立してくると持ち物は次第に
必要とされるものが占めるようになった。
それ以外に、いますぐ必要ではないけれど、
将来のために必要としてきた釣具がようやく日の目を見ることになる。
釣場を調べるのと並行して、
北海道釣行に携える釣具達を
ひとつのタックルボックスへ離合集散させて遊んでみるのだけど、
これが楽しい。
一通り欲望のまま集めてみると、
重量級から軽量ルアーと、それに適合するスナップやリーダー、
水面や水底を探るルアー、各カラー、同カラーの予備などなど加えれば、
明らかに持っていける許容範囲を超えて苦笑い。
初めての釣りの厄介なことよ。
スズキ釣りでもビワコオオナマズ釣りでも、
ルアーはだいたい五個未満で事足りるし、
もっとスマートな釣りだと、
カムルチー釣りにおいては予備ルアーなしで、
ロッドにぶら下げる一個だけ。
これはラインブレイクを絶対にしない信念があるからできるのと、
一投目ないし数投で一尾釣って竿を置くことをするからである。
もし釣れなければ帰るのみ。
他には、ニジマスの管理釣場で緊張感ある釣りをするため、
REBEL POP-R一個だけしか持っていかない事もした。
例えば上記したスズキやオオナマでは、
同場所で釣れなければ数投でルアー交換し、
それで反応を得られなければ魚が居ない、
もしくは喰わないと判断して早々に見切る。
ルアー交換よりポイント移動優先ゆえに、
ルアーの種類は五個もあれば十分で、
その日、水に浸けたのは一個ないし二個ということもある。
聞くところによると、
アメリカのバサーがバスボートでやるランガンというのは、
同じルアーで広大な湖を効率良く探ることらしい。
でも、さすがに北海道釣行未経験者がルアー5五個で挑むなど
頭がよろしくない。
アルミ製タックルボックスのokabakoのフタが、
放り込まれたルアーで閉まらず立ったまま初日は終了。
ルアー選抜は毎夜の楽しみとなり、
これはいる、これはいらない、いややっぱり戻す、エンドレス。
釣行前に釣具屋やインターネットで、
新しい道具を買い求めるのは大きな楽しみであることを重々承知している。
それでも買い足さなかったのは、
北海道釣行を念頭にしていた釣り人生だったからに他ならず、
北海道に必要と判断したものを少しずつ在庫してきたことにある。
これまで出会った釣具の中には、
淘汰されゆくもの、残るものがあり、
まだ迷いが生じている時は釣具の数が膨らむ一方で、
御多分に洩れず僕もそうであったが、
スタイルが確立してくると持ち物は次第に
必要とされるものが占めるようになった。
それ以外に、いますぐ必要ではないけれど、
将来のために必要としてきた釣具がようやく日の目を見ることになる。
釣場を調べるのと並行して、
北海道釣行に携える釣具達を
ひとつのタックルボックスへ離合集散させて遊んでみるのだけど、
これが楽しい。
一通り欲望のまま集めてみると、
重量級から軽量ルアーと、それに適合するスナップやリーダー、
水面や水底を探るルアー、各カラー、同カラーの予備などなど加えれば、
明らかに持っていける許容範囲を超えて苦笑い。
初めての釣りの厄介なことよ。
スズキ釣りでもビワコオオナマズ釣りでも、
ルアーはだいたい五個未満で事足りるし、
もっとスマートな釣りだと、
カムルチー釣りにおいては予備ルアーなしで、
ロッドにぶら下げる一個だけ。
これはラインブレイクを絶対にしない信念があるからできるのと、
一投目ないし数投で一尾釣って竿を置くことをするからである。
もし釣れなければ帰るのみ。
他には、ニジマスの管理釣場で緊張感ある釣りをするため、
REBEL POP-R一個だけしか持っていかない事もした。
例えば上記したスズキやオオナマでは、
同場所で釣れなければ数投でルアー交換し、
それで反応を得られなければ魚が居ない、
もしくは喰わないと判断して早々に見切る。
ルアー交換よりポイント移動優先ゆえに、
ルアーの種類は五個もあれば十分で、
その日、水に浸けたのは一個ないし二個ということもある。
聞くところによると、
アメリカのバサーがバスボートでやるランガンというのは、
同じルアーで広大な湖を効率良く探ることらしい。
でも、さすがに北海道釣行未経験者がルアー5五個で挑むなど
頭がよろしくない。
アルミ製タックルボックスのokabakoのフタが、
放り込まれたルアーで閉まらず立ったまま初日は終了。
ルアー選抜は毎夜の楽しみとなり、
これはいる、これはいらない、いややっぱり戻す、エンドレス。
2023年02月14日
イトウは心に宿る16
いまさら白状すると、北海道に憧れはあれど知識はかなり乏しい。
北海道の印象を述べるなら、辛うじてムツゴロウ王国と、
ドラマ北の国からの舞台がそうだというくらいのもので、
しかも不朽の名作と呼ばれて久しい北の国からを、
いまだ観たことがない。
あらためて北海道を調べると、
道東・道南・道央・道北と地域区分があり、
道西というのはないのね、という程度の知見しかなく、
誰かから北海道旅行の話を聞かされた時に、
函館から見る夜景が綺麗だったとか、
とにかく食べ物が美味しいという話は聞けども、
観光地なのでそれらは道南もしくは道央の話。
道東や道北となれば、車やバイクで北海道を一周する変わり者が
通過するだけという印象しかなかった。
釣行を予定している目的地周辺、
そうとはいってもひとつどころかふたつの県を合わせたほどの
面積があるが、つまびらかに調べていくと、
いかに広大であるかがわかり、
A地点からB地点までの移動に費やす時間だの距離が、
普段の感覚を超越している。
例えば現地の空港に正午過ぎに到着して、
予定している最寄りの川に立てるのは、太陽が西の彼方に沈んだあと。
飛行機が一日に一便しかないので、
これ以上の短縮は叶わず、すなわち日帰り釣行は不可能。
初日は一投もできず移動だけで終わる現実に、
舌打ちのひとつも出てしまう。
そうだとわかれば諦めの境地になり、新たな計画が浮かんでくる。
空港から目的地まで、
観光だの食事だので有意義な時間を過ごすことにする。
北海道釣行が決まってしばらく経った頃、
ロッドケースとバッカンを宅配便で送ろうとしている二人の釣人の姿を見た。
荷物を宿泊先に送る手段もあるのかと感心したので、
ちょいと話しかけてみたところ、壱岐へ行くという。
凄い、ヒラマサ狙いですねと通ぶってみると、
アジですよと笑顔が返ってきた。
ア、アジを狙いにそんな遠くまで・・・・・・壱岐はアジの聖地なのだろうかと
刹那に思い描くも、動揺するばかりで平静を装うのが精一杯だった。
アジを釣ろうとするなら、南港海釣り公園のような、
いわゆるベランダと呼ばれる
足場が良くて家族連れも快適に楽しめる環境が、
阪神間にいくつもあるじゃないか。
通天閣から686kmも先のアジを求めるなんて。
壱岐が彼らの実家なのか、はたまた会社の保養所があるのか、
いや、わかったぞ。
商店街で、今朝がた怒らせた奥さんの機嫌取りの為に買った
回転焼きひと箱に付いてきた抽選券で、
新井式回転抽選器を回すと金の玉が飛び出し、
壱岐ペア旅行券が当選したと推理する。
そこで、冷めた回転焼きだけ奥さんに渡し、
ペア旅行券はあつあつ野郎同士でむふふという算段に違いない。
跨いだアジングロッドをゆっくり押したり引いたりしてもらい、
ガイドがコツコツと当たる逢瀬の旅。
壱岐にメーター超級のアジが泳ぐならいざしらず、
アジを狙いにわざわざ飛行機で行くとはこれいかに。
昨今のアジング・ブームとやらはアジャーを駆り立て、
魚の棚に並ぶアジの開きでは満たされることがないらしい。
イワナと同じく、アジはアジでもアジという和名の魚はいないので、
実はカスミアジやロウニンアジだったりして。
そうなったらガイドリング径が大きくなり、
コツコツどころの騒ぎではないぞ。
オーシャントップから2番ガイドを通過する辺りで意識朦朧とするはずだ。
今度はお相手さんが、どこでなに釣りを?と聞いてきたので、
北海道でイトウ釣りですと答えると、二人同時に目を見張り、
え!?と発して前のめりになったので、
僕はイトウを知っているあなた達に驚いたと笑う。
アジとは違うとか、それは凄いとかおっしゃっていたが、
イトウみたいな釣れる保証がない博打釣りを北海道まで行ってやるなんて、
正気の沙汰とは思えないのかもしれない。
仮に直接そう言われても嫌な気持ちにならないし、
確かに自身もそうだと認識している。
釣堀の養殖イトウで満足できなければ、
協力者もお膳立ても排斥する釣り方を選んでいるのだから。
お互いに釣人の別れ際の挨拶「良い釣りを」で健闘を称え合ったが、
その週末、壱岐は大型台風が直撃した。
直前に断念、もしくは飛行機が欠航していればいいのだけど、
二人のその後を心配した。
自然の猛威を前に、無理に決行する勇気などいらない。
諦める勇気こそ必要だ。
僕は幼い頃より釣りを覚えたことで、水辺で過ごした時間は人一倍長い。
それこそ小学生の時の山釣りでは半分泳ぎながらやっていたし、
釣れなくなったら水の中に顔を浸けて魚を探した。
大人になれば夜間に水に浸かって糸を垂れることもすれば、
濁流を待ち侘びることもある。
一般的には危険とされる行為だけど、
これまで事故に繋がらず生き続けているのには理由がある。
僕が行く釣場のいくつかで、毎年悲しい水の事故が起きているが、
それでも僕が生きているのは運が良いからだけでなく、
水を恐れ、危険を知るからに他ならない。
子供の頃、父親に連れられ淀川水系で釣りをした時、
川は死と直結することを教わった。
僕の子供達には里川で遊ばせ、
瀬から一歩先が淵に滑り落ちる構造や、流れの危険を教えた。
海水浴では複雑な海流があること、引き波の怖さも。
僕も子供達もスイミング教室に通ったことで、
一般人より泳ぎは達者だけど、川で泳ぐことを恐れる。
繰り返すが、正しく恐れ危険を知り、
安全を確保してきたからこそ今日まで生きてきた自負がある。
魚釣りで命を落とすのは本懐だなんてアホくさい。
あぁそれなのにそれなのに、
エゾヒグマ生息地へ赴くのだと頭をもたげる。
北海道の印象を述べるなら、辛うじてムツゴロウ王国と、
ドラマ北の国からの舞台がそうだというくらいのもので、
しかも不朽の名作と呼ばれて久しい北の国からを、
いまだ観たことがない。
あらためて北海道を調べると、
道東・道南・道央・道北と地域区分があり、
道西というのはないのね、という程度の知見しかなく、
誰かから北海道旅行の話を聞かされた時に、
函館から見る夜景が綺麗だったとか、
とにかく食べ物が美味しいという話は聞けども、
観光地なのでそれらは道南もしくは道央の話。
道東や道北となれば、車やバイクで北海道を一周する変わり者が
通過するだけという印象しかなかった。
釣行を予定している目的地周辺、
そうとはいってもひとつどころかふたつの県を合わせたほどの
面積があるが、つまびらかに調べていくと、
いかに広大であるかがわかり、
A地点からB地点までの移動に費やす時間だの距離が、
普段の感覚を超越している。
例えば現地の空港に正午過ぎに到着して、
予定している最寄りの川に立てるのは、太陽が西の彼方に沈んだあと。
飛行機が一日に一便しかないので、
これ以上の短縮は叶わず、すなわち日帰り釣行は不可能。
初日は一投もできず移動だけで終わる現実に、
舌打ちのひとつも出てしまう。
そうだとわかれば諦めの境地になり、新たな計画が浮かんでくる。
空港から目的地まで、
観光だの食事だので有意義な時間を過ごすことにする。
北海道釣行が決まってしばらく経った頃、
ロッドケースとバッカンを宅配便で送ろうとしている二人の釣人の姿を見た。
荷物を宿泊先に送る手段もあるのかと感心したので、
ちょいと話しかけてみたところ、壱岐へ行くという。
凄い、ヒラマサ狙いですねと通ぶってみると、
アジですよと笑顔が返ってきた。
ア、アジを狙いにそんな遠くまで・・・・・・壱岐はアジの聖地なのだろうかと
刹那に思い描くも、動揺するばかりで平静を装うのが精一杯だった。
アジを釣ろうとするなら、南港海釣り公園のような、
いわゆるベランダと呼ばれる
足場が良くて家族連れも快適に楽しめる環境が、
阪神間にいくつもあるじゃないか。
通天閣から686kmも先のアジを求めるなんて。
壱岐が彼らの実家なのか、はたまた会社の保養所があるのか、
いや、わかったぞ。
商店街で、今朝がた怒らせた奥さんの機嫌取りの為に買った
回転焼きひと箱に付いてきた抽選券で、
新井式回転抽選器を回すと金の玉が飛び出し、
壱岐ペア旅行券が当選したと推理する。
そこで、冷めた回転焼きだけ奥さんに渡し、
ペア旅行券はあつあつ野郎同士でむふふという算段に違いない。
跨いだアジングロッドをゆっくり押したり引いたりしてもらい、
ガイドがコツコツと当たる逢瀬の旅。
壱岐にメーター超級のアジが泳ぐならいざしらず、
アジを狙いにわざわざ飛行機で行くとはこれいかに。
昨今のアジング・ブームとやらはアジャーを駆り立て、
魚の棚に並ぶアジの開きでは満たされることがないらしい。
イワナと同じく、アジはアジでもアジという和名の魚はいないので、
実はカスミアジやロウニンアジだったりして。
そうなったらガイドリング径が大きくなり、
コツコツどころの騒ぎではないぞ。
オーシャントップから2番ガイドを通過する辺りで意識朦朧とするはずだ。
今度はお相手さんが、どこでなに釣りを?と聞いてきたので、
北海道でイトウ釣りですと答えると、二人同時に目を見張り、
え!?と発して前のめりになったので、
僕はイトウを知っているあなた達に驚いたと笑う。
アジとは違うとか、それは凄いとかおっしゃっていたが、
イトウみたいな釣れる保証がない博打釣りを北海道まで行ってやるなんて、
正気の沙汰とは思えないのかもしれない。
仮に直接そう言われても嫌な気持ちにならないし、
確かに自身もそうだと認識している。
釣堀の養殖イトウで満足できなければ、
協力者もお膳立ても排斥する釣り方を選んでいるのだから。
お互いに釣人の別れ際の挨拶「良い釣りを」で健闘を称え合ったが、
その週末、壱岐は大型台風が直撃した。
直前に断念、もしくは飛行機が欠航していればいいのだけど、
二人のその後を心配した。
自然の猛威を前に、無理に決行する勇気などいらない。
諦める勇気こそ必要だ。
僕は幼い頃より釣りを覚えたことで、水辺で過ごした時間は人一倍長い。
それこそ小学生の時の山釣りでは半分泳ぎながらやっていたし、
釣れなくなったら水の中に顔を浸けて魚を探した。
大人になれば夜間に水に浸かって糸を垂れることもすれば、
濁流を待ち侘びることもある。
一般的には危険とされる行為だけど、
これまで事故に繋がらず生き続けているのには理由がある。
僕が行く釣場のいくつかで、毎年悲しい水の事故が起きているが、
それでも僕が生きているのは運が良いからだけでなく、
水を恐れ、危険を知るからに他ならない。
子供の頃、父親に連れられ淀川水系で釣りをした時、
川は死と直結することを教わった。
僕の子供達には里川で遊ばせ、
瀬から一歩先が淵に滑り落ちる構造や、流れの危険を教えた。
海水浴では複雑な海流があること、引き波の怖さも。
僕も子供達もスイミング教室に通ったことで、
一般人より泳ぎは達者だけど、川で泳ぐことを恐れる。
繰り返すが、正しく恐れ危険を知り、
安全を確保してきたからこそ今日まで生きてきた自負がある。
魚釣りで命を落とすのは本懐だなんてアホくさい。
あぁそれなのにそれなのに、
エゾヒグマ生息地へ赴くのだと頭をもたげる。
2023年02月12日
イトウは心に宿る15
北の大地を流れる川の流域面積に圧倒され、
さらに僻遠の地を這う川にイトウを追うなら、
鳥瞰図を丹念に調べるしか道はない。
航空写真を眺め、拡大していくと分かったことがある。
どうやら湿原の川には川原がなく、いわゆる泥炭地帯である。
川の両岸には植物が覆いかぶさり、
川沿いを自由に上がったり下がったりできそうにない。
ウェーディングして水の中を行き来できればいいのだけど、
水深が深いとなればどうするか。
いやいや待てよ、
そんなことより、どうやって道路から水辺に辿り着くのだろうとの
疑問も湧いてきて、それは間違いなく鬱蒼と生い茂るエゾヒグマの巣窟を
通り抜けねばならないようだ。
エゾヒグマの餌食にならず運良く適当な水辺に出られたとして、
木々の隙間からロッドを差し出しキャストできたとしよう。
でもそこに倒木があればルアーを泳がす距離が取れないし、
ではウェーディングはどうだろうと想像するも、
足場と水面が離れていれば下りることはできても
岸に上がることができないし、潮汐によって川の水位が上がれば命取り。
それにランディング時の問題だって発生する。
これまでの川とは勝手が違うらしく頭を抱えてしまう。
こうなれば一本の川に絞るのは心許ないので、
幾つもの川を選択肢として用意せねばならず、
さらには一本の川の、どこに車を停めてどこから入り、
どうやって水辺に辿り着くのかも調べねばならない。
イトウが潜みそうな場所を選び、
そこへ辿り着く時間が道路から五分程度であるかを確認。
およそ五分とするのは、エゾヒグマとの遭遇確率低減や、
水辺で怪我をした時に無事戻ることができる等々を考慮した時間。
迷って脱出できなくなることも現実的に起こるかも知れず、
考えただけでも恐ろしい。
「迷惑行為!道外から来た釣人が湿原で迷子」なんてテロップがお茶の間に
映し出されようものなら、
旦那の稼ぎで買った日本茶をすするBBAが
「迷子って子供みたいにもぅ。私がお世話してあげたいわ」などと妄想して
頬を赤らめかねず、救出された後のインタビューで僕が、
有閑マダムはちょっと圏外ですなどとこぼせば世論は非難轟々に違いない。
夜の試合相手は妙齢がいいなんて、心に思っても口に出したり
文章で伝えるなんて以ての外だ。
良くも悪くも道路から水辺までの森に、
エゾヒグマのものであろうとも獣道があれば助かるのだけど、
全ての侵入を拒む植物の要塞ならば進むことは不可能に近く、
わざわざそこに時間を費やすと釣りどころではなくなる。
でもその先にこそ目指すものがあると思えてならないのだけど、
それは住所を北海道に移した時の暇潰しで開拓しよう。
こうして一本の湿原河川を少しずつ淘げていく。
すると新たな問題が浮上した。
北海道の道路事情により車の停め場所が極端に少ないようだ。
ほとんどの川は牧場の敷地を流れており、
無断で私有地に入ることをしてはならないのはもちろんのこと、
隣接する道路はいかにもバイパス道路のようで、
停めるなんてことができなさそうだし、
離れたところに車を停められたとしても、
徒歩や自転車での移動も危険極まりないのではないか。
後に北海道在住者に尋ねたところ、
徒歩や自転車で移動する人はいないらしい。
あれもこれも都会とは勝手が違う北海道。
こんなことを言っては元も子もないのだけど、
徒歩圏に病院や駅がないなんてあり得ないと、
A君が言ってました。
コンビニ含む食料品店舗が見える範囲にあり、
自転車なら数店舗選べて大型商業施設にも行ける
この生活から遠ざかるなんて無理とBさんが言ってました。
僕は言ってません。
お金を落とす価値があるモスやフレッシュネスバーガーという
選択肢を捨て、割安感もなければ美味しくもないマクドなんとかへ
ガソリンを消費して数十分も掛けて行く環境に移り住んだCちゃん。
滅多に来られないから、店内で食べてなおかつテイクアウトもする話に、
なんてことだと笑い涙が頬を濡らす。
車で買いに行ける距離にあるだけましらしいが、そういう感覚なのね。
なので人口より乳牛の頭数が多い町では言うまでもなくピザの
宅配概念はないらしい。
となれば、デリバリーなんとかもなければ実店舗もないのかしら。
じゃあ奥さん以外の女性との出会いの場や密会場所は
一体どうしろっていうんだ。
広大な土地のくせに情事の噂だけは走るように広まりそうで空恐ろしい。
困難が立ちはだかるものの、
航空写真からイトウ生息場所を予想するのは日課となり、
地味な作業が次第に楽しくなってきた。
出発までの約七十日間は毎日、レストランのメニューを開け、
あれも食べたいこれも食べたいと、
美味しそうな料理が並ぶのを眺めているのに等しかった。
最終的に集めたGPS座標は14河川62箇所。
的を絞れていないようだけど、
これも規模の雄大を誇る北海道ならでは。
14河川62箇所の有望順位を決め、探索する順番も決める。
全ては自由。自分の好きなように。
イトウ釣りはすでに始まっている。
さらに僻遠の地を這う川にイトウを追うなら、
鳥瞰図を丹念に調べるしか道はない。
航空写真を眺め、拡大していくと分かったことがある。
どうやら湿原の川には川原がなく、いわゆる泥炭地帯である。
川の両岸には植物が覆いかぶさり、
川沿いを自由に上がったり下がったりできそうにない。
ウェーディングして水の中を行き来できればいいのだけど、
水深が深いとなればどうするか。
いやいや待てよ、
そんなことより、どうやって道路から水辺に辿り着くのだろうとの
疑問も湧いてきて、それは間違いなく鬱蒼と生い茂るエゾヒグマの巣窟を
通り抜けねばならないようだ。
エゾヒグマの餌食にならず運良く適当な水辺に出られたとして、
木々の隙間からロッドを差し出しキャストできたとしよう。
でもそこに倒木があればルアーを泳がす距離が取れないし、
ではウェーディングはどうだろうと想像するも、
足場と水面が離れていれば下りることはできても
岸に上がることができないし、潮汐によって川の水位が上がれば命取り。
それにランディング時の問題だって発生する。
これまでの川とは勝手が違うらしく頭を抱えてしまう。
こうなれば一本の川に絞るのは心許ないので、
幾つもの川を選択肢として用意せねばならず、
さらには一本の川の、どこに車を停めてどこから入り、
どうやって水辺に辿り着くのかも調べねばならない。
イトウが潜みそうな場所を選び、
そこへ辿り着く時間が道路から五分程度であるかを確認。
およそ五分とするのは、エゾヒグマとの遭遇確率低減や、
水辺で怪我をした時に無事戻ることができる等々を考慮した時間。
迷って脱出できなくなることも現実的に起こるかも知れず、
考えただけでも恐ろしい。
「迷惑行為!道外から来た釣人が湿原で迷子」なんてテロップがお茶の間に
映し出されようものなら、
旦那の稼ぎで買った日本茶をすするBBAが
「迷子って子供みたいにもぅ。私がお世話してあげたいわ」などと妄想して
頬を赤らめかねず、救出された後のインタビューで僕が、
有閑マダムはちょっと圏外ですなどとこぼせば世論は非難轟々に違いない。
夜の試合相手は妙齢がいいなんて、心に思っても口に出したり
文章で伝えるなんて以ての外だ。
良くも悪くも道路から水辺までの森に、
エゾヒグマのものであろうとも獣道があれば助かるのだけど、
全ての侵入を拒む植物の要塞ならば進むことは不可能に近く、
わざわざそこに時間を費やすと釣りどころではなくなる。
でもその先にこそ目指すものがあると思えてならないのだけど、
それは住所を北海道に移した時の暇潰しで開拓しよう。
こうして一本の湿原河川を少しずつ淘げていく。
すると新たな問題が浮上した。
北海道の道路事情により車の停め場所が極端に少ないようだ。
ほとんどの川は牧場の敷地を流れており、
無断で私有地に入ることをしてはならないのはもちろんのこと、
隣接する道路はいかにもバイパス道路のようで、
停めるなんてことができなさそうだし、
離れたところに車を停められたとしても、
徒歩や自転車での移動も危険極まりないのではないか。
後に北海道在住者に尋ねたところ、
徒歩や自転車で移動する人はいないらしい。
あれもこれも都会とは勝手が違う北海道。
こんなことを言っては元も子もないのだけど、
徒歩圏に病院や駅がないなんてあり得ないと、
A君が言ってました。
コンビニ含む食料品店舗が見える範囲にあり、
自転車なら数店舗選べて大型商業施設にも行ける
この生活から遠ざかるなんて無理とBさんが言ってました。
僕は言ってません。
お金を落とす価値があるモスやフレッシュネスバーガーという
選択肢を捨て、割安感もなければ美味しくもないマクドなんとかへ
ガソリンを消費して数十分も掛けて行く環境に移り住んだCちゃん。
滅多に来られないから、店内で食べてなおかつテイクアウトもする話に、
なんてことだと笑い涙が頬を濡らす。
車で買いに行ける距離にあるだけましらしいが、そういう感覚なのね。
なので人口より乳牛の頭数が多い町では言うまでもなくピザの
宅配概念はないらしい。
となれば、デリバリーなんとかもなければ実店舗もないのかしら。
じゃあ奥さん以外の女性との出会いの場や密会場所は
一体どうしろっていうんだ。
広大な土地のくせに情事の噂だけは走るように広まりそうで空恐ろしい。
困難が立ちはだかるものの、
航空写真からイトウ生息場所を予想するのは日課となり、
地味な作業が次第に楽しくなってきた。
出発までの約七十日間は毎日、レストランのメニューを開け、
あれも食べたいこれも食べたいと、
美味しそうな料理が並ぶのを眺めているのに等しかった。
最終的に集めたGPS座標は14河川62箇所。
的を絞れていないようだけど、
これも規模の雄大を誇る北海道ならでは。
14河川62箇所の有望順位を決め、探索する順番も決める。
全ては自由。自分の好きなように。
イトウ釣りはすでに始まっている。
2023年02月10日
イトウは心に宿る14
暇さえあればイトウ探索先を調べることに鋭意専心し、
鳥観図で北海道の旅に出る。
そこには関西で馴染みのない独特の地名があったり、
中には同じ漢字一文字が使われる地名が散見されることにも気付いた。
特に目を引いたのがカタカナで名付けられた川の存在で、
初めて知る河川名に面白さを感じた。
川から知る北海道の壮大さ。
一本の湿原河川のそれはそれは長いことよ。
無造作に閉じたカーテンの断面のように、幾重にも屈曲する川を
真っ直ぐに伸ばすとどれだけの距離になるのだろうか。
さらにここへ繋がる支流群も加えると、流呈の前に跪くしかない。
調べると北海道の大地を這う河川は、一級河川13水系1129河川と、
二級河川230水系467河川があるという。
これまで北海道は射程圏から外れていたので、
こういった事実も知らずにいたが、想像を遥かに超えた規模に圧倒される。
例えばイトウ生息河川で最も印象深い一級河川のI川の長さは約270kmで、
信濃川・利根川に続いて全国三位となり、即ち日本三大河川の一角。
上位二つを知っていたのに、川釣りが好きで、イトウ釣りを夢見ていながら、
I川が三位に挙げられていることを知らなかったことを白状したい。
それにしても270kmといえば、大阪城から静岡県は浜名湖をさらに跨いだ
東側にある、うなぎパイファクトリーにも及ぶ。
ちょっとどれほど実ったパイがあるかすぐに駆け付けたくても、
そうはいかない距離である。パイから現実に戻り、
大阪~静岡間の中からイトウを探し出す無慈悲な旅を想像するだけで、
床に背中を放り出したくなる。
I川を筆頭に他も全長150km級の一級河川が名を連ね、支流も合わせた流域面積は、
豊中小学校の何個分に相当するのだろうか。
ふと疑問に思うのはそんなことばかりでなく、
北海道はこれだけ雄大な水を湛えていながらイトウの生息数が少ないと
される謎だ。よほど生息環境の悪化が著しいのか、
生息状況を把握しきれないのか。
イトウが不名誉なレッドリスト入りしている事実を
なかなか信じられずにいるのだけど、
それが生息環境の悪化によるものだとするならば、
人間の悪行に呆れるほかない。
幻と呼ばれるほど生息数の乏しい魚を釣り上げて喜ぶのは
どうにも潔くないし、
イトウにとって劣悪な環境の川で糸を垂らすことに心も踊らない。
ただ救いなのは、これまで出会った幾人の釣人から教わった、
イトウは幻ではないとする現実的な情報。
もしかするとイトウの個体数をデータとして示すことができる研究者は、
訝しむのかもしれないけれど。
僕はイトウを釣ることの意味として、
数十年に及んで憧れの魚だったからだけでなく、
足を使い、この腕をもち、自分の目でイトウの現状を知りたい。
まあ俗な言い方をすれば、イトウが少ないってほんまに?である。
不祥ながら、これまでの経験を武器にイトウを探してみましょう。
鳥観図で北海道の旅に出る。
そこには関西で馴染みのない独特の地名があったり、
中には同じ漢字一文字が使われる地名が散見されることにも気付いた。
特に目を引いたのがカタカナで名付けられた川の存在で、
初めて知る河川名に面白さを感じた。
川から知る北海道の壮大さ。
一本の湿原河川のそれはそれは長いことよ。
無造作に閉じたカーテンの断面のように、幾重にも屈曲する川を
真っ直ぐに伸ばすとどれだけの距離になるのだろうか。
さらにここへ繋がる支流群も加えると、流呈の前に跪くしかない。
調べると北海道の大地を這う河川は、一級河川13水系1129河川と、
二級河川230水系467河川があるという。
これまで北海道は射程圏から外れていたので、
こういった事実も知らずにいたが、想像を遥かに超えた規模に圧倒される。
例えばイトウ生息河川で最も印象深い一級河川のI川の長さは約270kmで、
信濃川・利根川に続いて全国三位となり、即ち日本三大河川の一角。
上位二つを知っていたのに、川釣りが好きで、イトウ釣りを夢見ていながら、
I川が三位に挙げられていることを知らなかったことを白状したい。
それにしても270kmといえば、大阪城から静岡県は浜名湖をさらに跨いだ
東側にある、うなぎパイファクトリーにも及ぶ。
ちょっとどれほど実ったパイがあるかすぐに駆け付けたくても、
そうはいかない距離である。パイから現実に戻り、
大阪~静岡間の中からイトウを探し出す無慈悲な旅を想像するだけで、
床に背中を放り出したくなる。
I川を筆頭に他も全長150km級の一級河川が名を連ね、支流も合わせた流域面積は、
豊中小学校の何個分に相当するのだろうか。
ふと疑問に思うのはそんなことばかりでなく、
北海道はこれだけ雄大な水を湛えていながらイトウの生息数が少ないと
される謎だ。よほど生息環境の悪化が著しいのか、
生息状況を把握しきれないのか。
イトウが不名誉なレッドリスト入りしている事実を
なかなか信じられずにいるのだけど、
それが生息環境の悪化によるものだとするならば、
人間の悪行に呆れるほかない。
幻と呼ばれるほど生息数の乏しい魚を釣り上げて喜ぶのは
どうにも潔くないし、
イトウにとって劣悪な環境の川で糸を垂らすことに心も踊らない。
ただ救いなのは、これまで出会った幾人の釣人から教わった、
イトウは幻ではないとする現実的な情報。
もしかするとイトウの個体数をデータとして示すことができる研究者は、
訝しむのかもしれないけれど。
僕はイトウを釣ることの意味として、
数十年に及んで憧れの魚だったからだけでなく、
足を使い、この腕をもち、自分の目でイトウの現状を知りたい。
まあ俗な言い方をすれば、イトウが少ないってほんまに?である。
不祥ながら、これまでの経験を武器にイトウを探してみましょう。
2023年02月08日
イトウは心に宿る13
北海道釣行日を決め、航空券を入手。
お次は現地での移動手段を決めるのだけど、
機動性に優れ風と友達になれるバイクか、
積載能力だけが魅力のつまらない車にするか
一応天秤に掛けてみるが、
フルサイズのスーツケースの存在が強大すぎるため、
現実を鑑みれば瞬殺でレンタカーに軍配が上がった。
こうして全ての決め事を自分で考え組み立てるのだけど、
目的地が遠いとはいえそこは日本。
通貨や言語の違う海外釣行ならいざしらず、
円が使えて日本語が通じ、通信環境だって整っているのだから、
なにも難しいことなどなく、とんとん拍子で決まっていく。
海外旅行と違い国内旅行で最も安心していられるのは、
狂犬病や黄熱病などの予防接種が不要なのと、治安が安定していること、
そして人間を餌と認識している大型ネコ科動物や巨大爬虫類がいないこと。
背後から追い剥ぎに合い全裸にされ、
とぼとぼ森を彷徨っているとなにやら視線を感じ、
樹上を見上げるとジャガーと目が合い、
俊足で逃げおおせたものの、
水辺に潜んでいたアナコンダに巻きつかれて
窒息するなんてあぁいやだいやだ。
同じ窒息するなら豊に実った胸の谷間でいかせてください。
怯えながら糸を垂らすなんてできやしない。
魚釣りは平和の象徴なのだから。
とはいえ北海道には日本最大の陸上動物が生息しており、
北海道釣行の難敵エゾヒグマの存在を無視できない。
バサー用語でいうところのベイトフィッシュならぬ、
ベイトヒューマンとして人間を捕食対象にしていることはないはずだが、
遭遇しないよう何らかの対策を練らねばならず、
エゾヒグマの習性などをつまびらかに調べた。
エゾヒグマの被害に遭わないためのサイトが色々あるけれど、
「一番大事なのはヒグマに会う場所へ行かないこと」
などと幼稚なことを冒頭でほざくサイトは閲覧するだけ時間の無駄。
日焼けしない方法は押し入れから出ないことと同義である。
一般的に効果が謳われる熊除け鈴だが、僕は大いに疑念を持っており、
熊除け鈴の効果に懐疑的だ。
なにより耳を澄まして山の環境音を感じているのに、鈴の音は耳障り。
ではどうするかと申すれば、
渓流で実践しているツキノワグマ対策そのままで、
しかしながら具体的な詳細を明らかにするのはやめておく。
ツキノワグマ生息地に人一倍足を踏み入れてきたのに
今日まで被害に合わずにいるが、
僕のクマ対策を紹介して真似た誰かがクマに食べられたら腹を抱えて、
もとい寝覚めが悪くなるし、良心の呵責に苛まれてしまう。
エゾヒグマの習性や行動を調べていると次第に興味が湧いてきた。
北海道にしか生息せず、北海道でしか見られないのなら、
願わくばエゾヒグマを探して撮影したい気持に駆られる。
だが、折しも北海道の人々を震撼させるOSO18が注目され始めた。
コードネームOSO18の由来は、
最初に被害が発生した標茶町オソツベツの地名による。18は前足の幅。
まったくもってなぜこのタイミングで。
これは天の啓示なのか、行くべきではないとの暗示か、
だとしても尻込みしたくないのが本音である。
だが不吉な映像も浮かんでくる。
「道外から来た釣人にOSO18のベアークローが直撃して瀕死の状態です」
などと若い女子アナが読み上げるニュースが全国のお茶の間に流れ、
コメンテーターが
「ラーメンマンの左側頭部に突き刺さったアレですね」
「アレをくらったらそらそうよ」なんてのたまうに違いない。
クマはクマでも鷹の爪レオナルド博士は大好きなんだけど、
OSO18と仲良くなれそうにない。
ならば万が一エゾヒグマに襲われたことを想定して反復練習あるのみ。
真っ直ぐ襲い掛かってきたら直前まで我慢して紫電一閃、猫騙し。
念の為、近親者に今回ばかりは命を危険に晒す釣行になることを伝えた。
魚釣りなど所詮は遊びの枠組みから出ないものと考えているのに、
こうまでしなければならない魚釣りもある。
身近にあるいつもの水辺と違う緊張感。
やすやすとイトウに辿り着けないようだ。
お次は現地での移動手段を決めるのだけど、
機動性に優れ風と友達になれるバイクか、
積載能力だけが魅力のつまらない車にするか
一応天秤に掛けてみるが、
フルサイズのスーツケースの存在が強大すぎるため、
現実を鑑みれば瞬殺でレンタカーに軍配が上がった。
こうして全ての決め事を自分で考え組み立てるのだけど、
目的地が遠いとはいえそこは日本。
通貨や言語の違う海外釣行ならいざしらず、
円が使えて日本語が通じ、通信環境だって整っているのだから、
なにも難しいことなどなく、とんとん拍子で決まっていく。
海外旅行と違い国内旅行で最も安心していられるのは、
狂犬病や黄熱病などの予防接種が不要なのと、治安が安定していること、
そして人間を餌と認識している大型ネコ科動物や巨大爬虫類がいないこと。
背後から追い剥ぎに合い全裸にされ、
とぼとぼ森を彷徨っているとなにやら視線を感じ、
樹上を見上げるとジャガーと目が合い、
俊足で逃げおおせたものの、
水辺に潜んでいたアナコンダに巻きつかれて
窒息するなんてあぁいやだいやだ。
同じ窒息するなら豊に実った胸の谷間でいかせてください。
怯えながら糸を垂らすなんてできやしない。
魚釣りは平和の象徴なのだから。
とはいえ北海道には日本最大の陸上動物が生息しており、
北海道釣行の難敵エゾヒグマの存在を無視できない。
バサー用語でいうところのベイトフィッシュならぬ、
ベイトヒューマンとして人間を捕食対象にしていることはないはずだが、
遭遇しないよう何らかの対策を練らねばならず、
エゾヒグマの習性などをつまびらかに調べた。
エゾヒグマの被害に遭わないためのサイトが色々あるけれど、
「一番大事なのはヒグマに会う場所へ行かないこと」
などと幼稚なことを冒頭でほざくサイトは閲覧するだけ時間の無駄。
日焼けしない方法は押し入れから出ないことと同義である。
一般的に効果が謳われる熊除け鈴だが、僕は大いに疑念を持っており、
熊除け鈴の効果に懐疑的だ。
なにより耳を澄まして山の環境音を感じているのに、鈴の音は耳障り。
ではどうするかと申すれば、
渓流で実践しているツキノワグマ対策そのままで、
しかしながら具体的な詳細を明らかにするのはやめておく。
ツキノワグマ生息地に人一倍足を踏み入れてきたのに
今日まで被害に合わずにいるが、
僕のクマ対策を紹介して真似た誰かがクマに食べられたら腹を抱えて、
もとい寝覚めが悪くなるし、良心の呵責に苛まれてしまう。
エゾヒグマの習性や行動を調べていると次第に興味が湧いてきた。
北海道にしか生息せず、北海道でしか見られないのなら、
願わくばエゾヒグマを探して撮影したい気持に駆られる。
だが、折しも北海道の人々を震撼させるOSO18が注目され始めた。
コードネームOSO18の由来は、
最初に被害が発生した標茶町オソツベツの地名による。18は前足の幅。
まったくもってなぜこのタイミングで。
これは天の啓示なのか、行くべきではないとの暗示か、
だとしても尻込みしたくないのが本音である。
だが不吉な映像も浮かんでくる。
「道外から来た釣人にOSO18のベアークローが直撃して瀕死の状態です」
などと若い女子アナが読み上げるニュースが全国のお茶の間に流れ、
コメンテーターが
「ラーメンマンの左側頭部に突き刺さったアレですね」
「アレをくらったらそらそうよ」なんてのたまうに違いない。
クマはクマでも鷹の爪レオナルド博士は大好きなんだけど、
OSO18と仲良くなれそうにない。
ならば万が一エゾヒグマに襲われたことを想定して反復練習あるのみ。
真っ直ぐ襲い掛かってきたら直前まで我慢して紫電一閃、猫騙し。
念の為、近親者に今回ばかりは命を危険に晒す釣行になることを伝えた。
魚釣りなど所詮は遊びの枠組みから出ないものと考えているのに、
こうまでしなければならない魚釣りもある。
身近にあるいつもの水辺と違う緊張感。
やすやすとイトウに辿り着けないようだ。