2023年02月25日
イトウは心に宿る21
トップウォータープラグとクランクベイトにワイヤーベイトがあれば
イトウ釣りは事足りるように思ったが、初めての場所で初めての魚を
相手にする時、そのような思い込みが取返しのつかない後悔を
招く気がしないでもないので、
魚食魚を釣る時の定番ルアーも用意しておく。
僕の魚釣りの、これまでとこれからにおいて、
最重要ルアーメーカーがある。
そのメーカーからプラスチック・プラグが発売されたのは1988年で、
初めて知ったのはかなり遅く、89年か90年。
ルアーの名はK-TEN、メーカーはタックルハウス。
魚釣りの情報を仕入れるのは釣具屋か、
もしくは釣り雑誌と釣り番組からが主たる情報源だったが、
K-TENの存在を教えてくれたのは、
HOT SPOTでバイトをしていた釣友だった。
K-TENの名を初めて聞いたとき、モモンガのように飛行するスキーの
ジャンプ競技を連想させ、なんちゅうダサい名前だと感じたが、
当時は驚異的な飛距離を誇るK-TEN・BKFシリーズに、
全国のスズキ・フリークが虜になったはずである。
虜になったと断定できないのは、
当時はインターネットが普及していない時代であり、、
マイミク申請してマイミク承認してくれたマイミクさんも
K-TENを使っているから今度一緒に釣りに行きましょうと、
まずはオフライン会でも仲良くなる、という時代ではなかったからだ。
おっと、いわゆるこれは揶揄であり、
インターネット回線が普及した後でも、
僕はこのようなことをしていないと誤解無きよう補足する。
K-TENブルーオーシャン・シリーズは淡海問わず、
僕を満足させるに十分な魚を呼び寄せ、
再び水に浸けることのない殿堂入りルアー群の四分の一を占めるが、
これは単一メーカー最多となる。
特筆すべきは、寒風吹きすさぶ早春の河川において、
他のルアーが風に負けて使い物にならない状況でも
鋭くポイントに突き刺さって急流を当然のように泳ぎ切り、
初めてのサクラマスに出会わせてくれたBKS90。
あらゆるシーンで出会ってきたビワコオオナマズは、
ブルーオーシャン・シリーズにMシリーズの貢献度が高い。
難攻不落のボイル祭りに投じたBKRP140を喰ってきた初めてのヒラスズキや、
立ち上がった波に乗ったBKRP140を下から襲いかかってきたスズキも
記憶に鮮明だ。
ST66#2/0を背負わせ急流のアカメを釣ることができるのも
ブルーオーシャン。
僕が好む釣座はややこしい所が多いので、
なにはともあれポイントへ到達して急流を泳ぎ切る
性能を有したルアーが前提となる。
制作者の意図することと、僕が使いたいシーンの整合性を
証明する結果が形として残っている。
まだ殿堂入りさせず徹底的に酷使中のものがいくつもあり、
奇抜さがない使いやすい基本性能は、
新たな挑戦においても信頼できる数少ないルアーだ。
そんなK-TENからはブルーオーシャン・シリーズと
M・シリーズを選抜した。
K-TENの名前が呼んだ懐旧の情により、
懐かしい釣具屋の名前も飛び出してしまった。
ルアー専門店が少なかった時代に開店され、
店長のお人柄は好感度が高く、お店に行けば楽しい時間を過ごした。
関西ローカルテレビ局の、なんとかヒットという釣り番組で
解説をされていたことを露知らず、
随分経ってからご本人であることに気付いたという笑い話もある。
閉店されて久しいが、偶然お会いした時はお変わりない姿に安堵した。
Posted by Миру Україні at 07:07
│イトウ