2023年02月08日
イトウは心に宿る13
北海道釣行日を決め、航空券を入手。
お次は現地での移動手段を決めるのだけど、
機動性に優れ風と友達になれるバイクか、
積載能力だけが魅力のつまらない車にするか
一応天秤に掛けてみるが、
フルサイズのスーツケースの存在が強大すぎるため、
現実を鑑みれば瞬殺でレンタカーに軍配が上がった。
こうして全ての決め事を自分で考え組み立てるのだけど、
目的地が遠いとはいえそこは日本。
通貨や言語の違う海外釣行ならいざしらず、
円が使えて日本語が通じ、通信環境だって整っているのだから、
なにも難しいことなどなく、とんとん拍子で決まっていく。
海外旅行と違い国内旅行で最も安心していられるのは、
狂犬病や黄熱病などの予防接種が不要なのと、治安が安定していること、
そして人間を餌と認識している大型ネコ科動物や巨大爬虫類がいないこと。
背後から追い剥ぎに合い全裸にされ、
とぼとぼ森を彷徨っているとなにやら視線を感じ、
樹上を見上げるとジャガーと目が合い、
俊足で逃げおおせたものの、
水辺に潜んでいたアナコンダに巻きつかれて
窒息するなんてあぁいやだいやだ。
同じ窒息するなら豊に実った胸の谷間でいかせてください。
怯えながら糸を垂らすなんてできやしない。
魚釣りは平和の象徴なのだから。
とはいえ北海道には日本最大の陸上動物が生息しており、
北海道釣行の難敵エゾヒグマの存在を無視できない。
バサー用語でいうところのベイトフィッシュならぬ、
ベイトヒューマンとして人間を捕食対象にしていることはないはずだが、
遭遇しないよう何らかの対策を練らねばならず、
エゾヒグマの習性などをつまびらかに調べた。
エゾヒグマの被害に遭わないためのサイトが色々あるけれど、
「一番大事なのはヒグマに会う場所へ行かないこと」
などと幼稚なことを冒頭でほざくサイトは閲覧するだけ時間の無駄。
日焼けしない方法は押し入れから出ないことと同義である。
一般的に効果が謳われる熊除け鈴だが、僕は大いに疑念を持っており、
熊除け鈴の効果に懐疑的だ。
なにより耳を澄まして山の環境音を感じているのに、鈴の音は耳障り。
ではどうするかと申すれば、
渓流で実践しているツキノワグマ対策そのままで、
しかしながら具体的な詳細を明らかにするのはやめておく。
ツキノワグマ生息地に人一倍足を踏み入れてきたのに
今日まで被害に合わずにいるが、
僕のクマ対策を紹介して真似た誰かがクマに食べられたら腹を抱えて、
もとい寝覚めが悪くなるし、良心の呵責に苛まれてしまう。
エゾヒグマの習性や行動を調べていると次第に興味が湧いてきた。
北海道にしか生息せず、北海道でしか見られないのなら、
願わくばエゾヒグマを探して撮影したい気持に駆られる。
だが、折しも北海道の人々を震撼させるOSO18が注目され始めた。
コードネームOSO18の由来は、
最初に被害が発生した標茶町オソツベツの地名による。18は前足の幅。
まったくもってなぜこのタイミングで。
これは天の啓示なのか、行くべきではないとの暗示か、
だとしても尻込みしたくないのが本音である。
だが不吉な映像も浮かんでくる。
「道外から来た釣人にOSO18のベアークローが直撃して瀕死の状態です」
などと若い女子アナが読み上げるニュースが全国のお茶の間に流れ、
コメンテーターが
「ラーメンマンの左側頭部に突き刺さったアレですね」
「アレをくらったらそらそうよ」なんてのたまうに違いない。
クマはクマでも鷹の爪レオナルド博士は大好きなんだけど、
OSO18と仲良くなれそうにない。
ならば万が一エゾヒグマに襲われたことを想定して反復練習あるのみ。
真っ直ぐ襲い掛かってきたら直前まで我慢して紫電一閃、猫騙し。
念の為、近親者に今回ばかりは命を危険に晒す釣行になることを伝えた。
魚釣りなど所詮は遊びの枠組みから出ないものと考えているのに、
こうまでしなければならない魚釣りもある。
身近にあるいつもの水辺と違う緊張感。
やすやすとイトウに辿り着けないようだ。
お次は現地での移動手段を決めるのだけど、
機動性に優れ風と友達になれるバイクか、
積載能力だけが魅力のつまらない車にするか
一応天秤に掛けてみるが、
フルサイズのスーツケースの存在が強大すぎるため、
現実を鑑みれば瞬殺でレンタカーに軍配が上がった。
こうして全ての決め事を自分で考え組み立てるのだけど、
目的地が遠いとはいえそこは日本。
通貨や言語の違う海外釣行ならいざしらず、
円が使えて日本語が通じ、通信環境だって整っているのだから、
なにも難しいことなどなく、とんとん拍子で決まっていく。
海外旅行と違い国内旅行で最も安心していられるのは、
狂犬病や黄熱病などの予防接種が不要なのと、治安が安定していること、
そして人間を餌と認識している大型ネコ科動物や巨大爬虫類がいないこと。
背後から追い剥ぎに合い全裸にされ、
とぼとぼ森を彷徨っているとなにやら視線を感じ、
樹上を見上げるとジャガーと目が合い、
俊足で逃げおおせたものの、
水辺に潜んでいたアナコンダに巻きつかれて
窒息するなんてあぁいやだいやだ。
同じ窒息するなら豊に実った胸の谷間でいかせてください。
怯えながら糸を垂らすなんてできやしない。
魚釣りは平和の象徴なのだから。
とはいえ北海道には日本最大の陸上動物が生息しており、
北海道釣行の難敵エゾヒグマの存在を無視できない。
バサー用語でいうところのベイトフィッシュならぬ、
ベイトヒューマンとして人間を捕食対象にしていることはないはずだが、
遭遇しないよう何らかの対策を練らねばならず、
エゾヒグマの習性などをつまびらかに調べた。
エゾヒグマの被害に遭わないためのサイトが色々あるけれど、
「一番大事なのはヒグマに会う場所へ行かないこと」
などと幼稚なことを冒頭でほざくサイトは閲覧するだけ時間の無駄。
日焼けしない方法は押し入れから出ないことと同義である。
一般的に効果が謳われる熊除け鈴だが、僕は大いに疑念を持っており、
熊除け鈴の効果に懐疑的だ。
なにより耳を澄まして山の環境音を感じているのに、鈴の音は耳障り。
ではどうするかと申すれば、
渓流で実践しているツキノワグマ対策そのままで、
しかしながら具体的な詳細を明らかにするのはやめておく。
ツキノワグマ生息地に人一倍足を踏み入れてきたのに
今日まで被害に合わずにいるが、
僕のクマ対策を紹介して真似た誰かがクマに食べられたら腹を抱えて、
もとい寝覚めが悪くなるし、良心の呵責に苛まれてしまう。
エゾヒグマの習性や行動を調べていると次第に興味が湧いてきた。
北海道にしか生息せず、北海道でしか見られないのなら、
願わくばエゾヒグマを探して撮影したい気持に駆られる。
だが、折しも北海道の人々を震撼させるOSO18が注目され始めた。
コードネームOSO18の由来は、
最初に被害が発生した標茶町オソツベツの地名による。18は前足の幅。
まったくもってなぜこのタイミングで。
これは天の啓示なのか、行くべきではないとの暗示か、
だとしても尻込みしたくないのが本音である。
だが不吉な映像も浮かんでくる。
「道外から来た釣人にOSO18のベアークローが直撃して瀕死の状態です」
などと若い女子アナが読み上げるニュースが全国のお茶の間に流れ、
コメンテーターが
「ラーメンマンの左側頭部に突き刺さったアレですね」
「アレをくらったらそらそうよ」なんてのたまうに違いない。
クマはクマでも鷹の爪レオナルド博士は大好きなんだけど、
OSO18と仲良くなれそうにない。
ならば万が一エゾヒグマに襲われたことを想定して反復練習あるのみ。
真っ直ぐ襲い掛かってきたら直前まで我慢して紫電一閃、猫騙し。
念の為、近親者に今回ばかりは命を危険に晒す釣行になることを伝えた。
魚釣りなど所詮は遊びの枠組みから出ないものと考えているのに、
こうまでしなければならない魚釣りもある。
身近にあるいつもの水辺と違う緊張感。
やすやすとイトウに辿り着けないようだ。
Posted by Миру Україні at 07:07
│イトウ