2018年02月18日
ヤリエ グリーブ

昨年の秋の夜。
川はゆっくりと動き出し海へと注ぎ始めていた。
こうなった時、スズキが必ず居着く場所を知っている。
流れが当たる石積みの陰だ。
僕はその場所の下流側から静かに歩み寄り、
然るべき立ち位置で一呼吸置いた。
スズキが潜む場所の少し手前には陸生植物が水面を覆い、
それを避けるようにしてルアーを送り込まねばならない。
足場を確認しながら水際と平行に足を揃え、
アップストリームでグリーブを投げ入れた。
着水した位置は見えないが、
グリーブが水に突き刺さったのを感じた瞬間、
ラインスラックを巻き取りながら続けざまにロッドティップを振り、
グリーブが流れの速さを追い越すよう躍らせた。
感覚的にスズキが捕食する位置に来ているはずだが
反応がなく、外したか・・・・・・との思いが過った刹那、
ロッドに衝撃が走った。
衝撃の大きさから、ハネであると判断。
魚の大きさはもとより、ちょっと疑ったけれど狙い通りの展開に
満足していた。
あとはとっとと寄せて姿を拝見したいところだったが、
徐々に己の判断の誤りに気づき始めていた。
ハネ、いや、スズキが寄ってこない。
巻き取ったラインの長さを、またスズキが引き出し、
それを繰り返す。目の前の攻防だった。
この場所ではなかなかお目に掛かれない大きさのスズキを
一目見たくマグライトで水面を照射して姿を確認。
ごっついわ・・・・・・。
とにかく飛ばしたくなかった。
足元まで寄っているだけに水面を割らせたくない。
するとスズキは水底へ向かって自らの重量を乗せて潜った。
その勢いを制止するとフックが伸びるか口切れか。
勝負の行方はスズキに軍配が上がった。
グリーブは足元に破棄されていたカニカゴに引っ掛かった。
スズキがそこを掠めるようにしたのだ。
なんとかグリーブを回収しようとさらに水位が下がるのを
待って浸水したが、
こちらもあと一歩の所で断念せざるを得なかった。
ルアーロストは水中ゴミを増やすこと。反省。
この出来事をスズキ釣師に報告すると、
グリーブをプレゼントしてくださった。
メジロ(ブリ)にシオ(カンパチ)、
スズキに実績のあるグリーブだが、
僕は琵琶湖でのハス釣りにも好適であることを実証している。
そして、サクラマスの川ではどうだろうか。
右寄りに嬉しいライジングサン・カラーを投げるつもりだ。
※右翼思想はございません。
Posted by Миру Україні at 07:07
│ルアー