ナチュログ管理画面 釣り 釣り その他 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報

スポンサーリンク



上記のお知らせは30日以上更新のないブログに表示しています。
記事を更新するとこのお知らせは表示されなくなります
  
Posted by naturum at

2023年12月31日

イトウは心に宿る26

投げる喰わせるの道具は準備万端整ったが、
魚を取込む準備を忘れてはならない。
向かう大地は鮭鱒天国なので、魚の取込みの際に使用するのが
フィッシュグリップでは機能的に不向きな気もするし、なにより味気なさを感じた。
やはり鮭鱒にはランディングネットが合う。
なにより僕には伝家の宝刀と呼ぶに相応しいランディングネットがあり、
それは縁あって知り合った釣友の手により作られた竹製のランディングネット。
ご友人の土地に自生する竹を切るところから始まり、
数年乾燥させたのちに生み出されるハンドメイドは、
当時年に一本しか製作されなかった魂の作品である。
製作するにあたり狙う場所の特徴と魚の大きさをお伝えし、
グリップの長さは僕の釣りスタイルを汲み取っていただいた
ショートグリップ。
そして指の寸法から導き出されたグリップ部の太さゆえ、
手に馴染まないはずがない。
この竹ランディングネットは本流のサクラマスを想定していたが、
将来的にイトウという目標を収めることにもなると大口を叩いた。

また、この本流鱒向けランディングネットだけに留まらず、
厚かましくも源流釣行向けの竹ランディングネットも作っていただいた。
こちらも北海道水系のみに生息する、
イトウとは別の憧れの魚を掬い上げることを夢見ていた。

どちらのランディングネットも竹特有の美しさと材質感を上手く表現した芸術作品。
ランディングネットを握り舐め回すような視線を送ると、
グリップは竹を切り出した数個のブロックが連なって形成されているのだけど、
その連なりがH.R.ギーガーの世界観を思わせ興奮を覚える。
続けて、厚めに塗られたクリアコーティングの艶に甘いため息が漏れ、
フレームにはアクセントの炙った焼き色が入り、僕の心に止めを刺してくる。
フレーム外側に切られたスリットや細いドリル穴、
フレームを固定している釘穴隠しも素晴らしい出来栄えで、
どうすればこんな繊細な作業ができるのだろうと、
物作りにおける職人技が光る。

網となる紐の色は、釣果撮影をした際に主役の魚が美しくなるような色合いで、
その一本の紐が途方もない時間を掛けて編まれて網となる。
この大変な編み工程を、傍観者がたった一行で説明したことに
胸が張り裂けそうになる。

全ての工程において、製作者のお人柄がわかる丁寧な造り。
芸術品といっても過言ではない美しさに加え、耐久性も兼ね備える。
それなのに万が一不具合があれば手直しをしてくださるという生涯保証付き。
使って幸せ、所有する幸せ、心より感謝する逸品。

部屋の壁に飾ってある二つの竹ランディングネットを手に取り、
二つを重ねてフルサイズのスーツケースへと。
あ、本流用が大きくて入らない・・・・・・?
ならばスーツケースの対角線ならどうだと恐る恐る合わせてみると、
製作時に計算されたかのような寸分違わぬ収まり方。
すごい、グリップがあと数ミリ長ければ入らなかった。
先に述べたグリップ長は僕の釣りスタイルを考慮してくださったというのが
ショートグリップ形状であり、
絶対にイトウ釣りにお供させるという製作者の気持ちが
こういった形で表れたように思え、頬が緩んでちょっと声を出して
笑ったし、再び製作者へ感謝の気持ちが湧いてきた。






  

Posted by Миру Україні at 07:07イトウ

2023年12月30日

イトウは心に宿る25

北海道旅行の準備を着々と進める。
携えるロッドは航空会社の受託荷物ルールに則った寸法で決まる。
あらゆるパワーとレングスのロッドを持って行けるならば
頭を悩ませることもないのだが、
厳しい制限の中で望ましいロッドを自ら決断する。
幸いなことに愛用する釣具ブランドのwhiplash factoryは、
長年に渡り徐々にバイクや航空手段において柔軟に対応できる
スペックを備えたルアーロッドがカタログに並ぶようになったのだが、
これは海外逃避行と称したwhiplash factory代表の
スタイルによるものである。
それにより深謀遠慮で入手していた
ベイトロッドとスピニングロッドがある。
ローディーラーはエクストリームエディションの
REX601HX-G [The Outrageos]アウトレイジャスと、
スピニングモデルの
R611RL-S2[The Misdemeanor ST]ミスディミーナーSTだ。
後者のミスディミーナーに関しては、
購入したのち振って曲げて調子を確認してほくそ笑むことをしたのみで、
実戦で使用することなくその日が訪れるまで眠らせていた。
自分の右腕のように扱えるタックルで挑むのではなく、
初の釣魚を北海道の魚類にしようという企みが口元を綻ばせた。

これら二本を選出したのちロッドケースの製作が始まる。
材質はホームセンターで購入できる塩ビパイプにし、
ロッド二本と小物類を押し込めるよう受託荷物サイズ目一杯に
設計した。
のちにマットブラックの缶スプレーで全塗装し、
肩に掛けられるよう適当なベルトをインシュロックで留め、
最後にwhiplash factoryのステッカーを貼って完成。
台湾へ行った時のロッドケースはオリーブドラブを塗装したが、
今回のマットブラックは一段と厳つい。


アウトレイジャスに乗せるリールは当然の如く
ミリオネア・ブラックシープ250。
世界に存在するリールを隈なく眺めたこともないくせに、
世界一格好良いと自慢するベイトリールだ。
ヘッドハンターSRV#6及びナイロンライン20ポンドを巻いた
二機を用意し、状況に応じて換装する。
サーキットのコンディションに応じて
エンジンを乗せ換えるようでいいね。

ミスディミーナーSTにはルビアスLT2500-XHに
YGKエックスブレイド アップグレードX8 #1.2を巻き、
リーダーはナイロン25ポンドと10ポンドの二種類を用意して
対象魚に応じて使い分ける。
メインラインで常用しているPE#1.2という太さだけど、
本来は#1でいいと思いつつ、保険を掛けて#1.2にしている。
かといって#1.5ではストレスになるので、
この#1.2という絶妙な太さ強さが大変安心感を与えてくれてよろしい。
PEラインとリーダーの結束はFGノット。
数種類のノットが存在するが、
キャスティングという釣法において導き出した答えのひとつ。
さらにリーダーとスナップの結束はクリンチノット改。
ここをさらに強いダブルクリンチノットにすると、
根掛かり等でFGノットが負けてしまい、
自然の中に余分なゴミを残すことになる。
よって逃げを設けることも必要だと考えた結果である。

スピニングタックルにPEラインを使用するようになってまだ
日は浅く若輩者だが、2005年から数社のPEラインを吟味して
落ち着いたのがYGK製のPEライン。
ウルトラキャストマンにウルトラジグマンを含め、
YGK製が最も自分のスタイルに合致した。
他に東レにサンラインにユニチカも良品であったが、
新興や安かろう悪かろうの首を傾げたくなる
ラインメーカーの存在をここで列挙することはやめておこう。

週末アングラーとは一線を画した、
年間約百日のヘヴィユーザーでもあったので、
PEラインのインプレッションには自信がある。
思い出の魚を喰わせたルアーは数あれど、
あの魚もあの窮地に立たされた時も、
実はYGKのラインが裏切らなかったことによるのだから賞賛に値する。
もし誰かがPEラインに迷っていたならば、
YGKにしなさいとドンと背中を押す。
さらにメイドイン鳴門市というのにも好感が持て、
それは近年だろうか近畿地方の天気予報になぜか徳島県が入るようになり、
なんでやねん、とか、なんで徳島、という声も聞かれるが、
そのおかげで四国徳島が身近に感じられるようになった。
大阪駅前の梅田新歩道橋を歩いている時に、
突然ABCの女性リポーターに「徳島県といえば!?」とマイクを差し出されたら、
怯むことなくウインクひとつ声高にYGKと答えよう。
そしてYGK製造工場を見学できるならば、出来立てほやほやのPEラインに
全身をぐるぐる巻きにされて恍惚の表情を浮かべたいとさえ思っている。

余談になるが初めてのPEラインはうろ覚えだけど、
90年代後半頃だったかの雷強というライギョ釣りに特化したラインだった。
ヘヴィカバー代表のハスエリアで喰わせたカムルチーを、
リールが破壊しロッドが破損しようとも必ず
ランディングできるという安心感があった。

掛けたイトウを確実に手中におさめねばならぬ使命を、
アップグレードX8に課した。






  

Posted by Миру Україні at 07:07イトウ