2016年08月12日
ニッコウイワナ生息地で見つけた蛇

中学校の林間学習だったか。
同級生達が道端を取り囲むように覗き込んでおり、
女子達は遠目に見守るようにしたり、逃げ出すコもいた。
どうしたのか近づくと、そこにはマムシの姿。
すると、こういう時に調子乗りが出てくるもので、
マムシを素手で捕まえようとしだした。
女子のハートを射止めることと正反対の愚行であることに
気づいていない。
僕は止めなかったし、多くの者も呆れてその場を離れようとした。
誰もが奴の雄姿を期待していなかった反面、
咬まれろという期待は漲っていた。
僕がその場を離れてすぐのことだったらしい。
とうとうやってしまった。
いや、やられてしまったのだ。マムシにガブリと。
病院へ運ばれる前の奴を見に行くと、
咬傷された手は青黒く腫れ、
顔面蒼白、この世のものとは思えない肌の色だったと記憶するが、
奴の強がりは半端なものではなかった。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ・・・・・・」と笑顔を振りまくが、
明らかにその引きつった笑顔には悲哀が漂っていた。
そして誰しもが思った。
決して「だいじょうぶ」ではないと。
ここで永遠の別れになると信じて疑わなかったのに、
奴は病院から帰ってきた。まさかのI'll be back.を遂げた。
だがこんなこともあろうかと、
僕達は奴にとっておきのプレゼントを用意していた。
折しもジョジョの奇妙な冒険という漫画が流行っており、
そこに『ワムウ』という名の登場人物がいたため、
我々はそれになぞらえ奴のあだ名を『マムウ』と与えた。
そう、奴の名は誇り高き戦士マムウ!
マムシにやられたけれど。
その後、イギリスの二人組ミュージシャンになぞらえた『マム!』や、
あの菊池桃子の『ラ・ムー』衝撃のデビューにより、
『マ・ムー』に進化を遂げたことも付け加えておきたい。

よりによって焦点距離が短い単焦点レンズを
装着していたのでマムウの名を踏襲せぬよう細心の注意を払い・・・・・・。
Posted by Миру Україні at 07:07
│爬虫類・両生類