2022年11月03日
激アツ、タッコング
驚くほどてきとーな撮影。機材はコンパクトデジカメ。
周知のとおりマダコ釣りをタッコングという。
タッコングはヘヴィタッコルが必要だ。
ゆえにヘヴィパワーのロッドとPE10号といった
ヘヴィカバーで使用するライギョ・タッコルそのままが相応しい。
その理由はフッキッグと同時にマダコを底から引きはがす必要があるのと、
地形が荒く根掛かりしやすいので、
仕掛けを海底に残すことなく強引に回収するためだ。
根掛かり等で仕掛けを失うことは恥であることを釣人は知る必要がある。
ルアーは市販のタコ用擬似餌を用いるが、
フックさえタコ用であれば本体は何でもイイことを知る。
ナニか動いてさえいればマダコが抱きついてくるからだ。
そうとわかれば遊びたくなる。
ミーハー(死語)で買ってしまった
デカバスを売りにしたメーカーのビッグベイト(名前すら忘れた)の
ジョイントをぶっ壊し、
上半身と下半身に分けてそれぞれをタコ用擬似餌のフックにセット。
その無残・・・・・・いや、見事なまでの完成度は存分に笑いを誘発し、
かつ、ゴミ箱行きにならなかったのは今思えばSDGsの先駆けだ。
2022年11月02日
テナガエビ釣り
テナガエビ釣りも歴史が長そうだけど、
先輩諸氏が築き上げてきた釣法を参考にせず、
自分で場所を探して釣り方も独自で挑戦。
といってもスズキ釣りやビワコオオナマズ釣りをしていると、
テナガエビがわんさか生息している場所があり、
労せずして釣り上げることができた。
昼も夜もよく釣れるが、夜の見釣りがもっとも効率が良い。
テナガエビも簡単に沢山釣れるので、
釣果数を自慢するがためのは釣りは大変格好が悪い。
美味しくいただく分だけを釣ることにしている。
2022年11月01日
川釣りのコツを教えてくれるありがたい魚
コイ目コイ科ウグイ亜科ヒメハヤ属
標準和名:アブラハヤ
釣魚名:ハヤ、ネコマタギ、外道
脂鰭至上主義者という勘違いクソ外道釣人に「外道」と吐き捨てられる魚。
タカハヤ生息圏なのにアブラハヤ(たぶん)が
フラットウイング・カディスに飛び出してきた。
明瞭な黒色縦帯があるのでアブラハヤだと思うのだけど、
琵琶湖産アユと共にやってきたのだろうか。
タグ :アブラハヤ
2022年10月31日
幼稚園児に最適マハゼ釣り
三大白身天ぷらといえば、
夏のコアユ・秋のマハゼ・冬のワカサギ。
マハゼは魚釣りに初めて挑戦する幼稚園児でも
簡単に釣れてくれる優しい魚。
実際に五歳の女の子がひとりで釣っており、
その際は指南する先生の技量が問われる。
簡単に釣れるマハゼは食べて美味しいのだから、とてもありがたい存在。
沢山釣れるのだけど、釣欲に駆られて釣るのは無粋というもの。
子供達に、釣るのは美味しくいただく分だけですよと教える。
タグ :マハゼ
2022年10月30日
2022年10月29日
紺碧の海に疾走す
未知の領域に挑戦する不安と期待。
幼い頃にテレビで見た海の大物釣り番組は、
自分の住む世界と違う別の世界の話だと思っていた。
これから狙いに行く魚の名前はシイラ。
100cmをゆうに超えるものもいるという。
初めて狙うシイラという魚についての予備知識は無く、
あえてインターネットで検索をせず、関連雑誌も見ずに今日まできた。
その代わりシイラ釣りの経験者である釣友から
リアルな話を聞くことができ、
生態等々を教えてもらい漠然とではあるがシイラ釣りのイメージが浮かんだ。
向かうは三重県熊野灘。
毎度のことながら釣行前夜は寝つきが悪い。
何歳になっても遠足前夜症候群。
ソファーで横になり目を瞑っても数時間後に起こるであろう
都合の良い映像が瞼の裏を駆け巡り、
そうこうしているうちに出発時間となる。
大雨の天気予報は大きく外れ、空には満点の星空。
夜空が仄白くなってきた頃、定刻通り目的地である漁港へ到着。
早朝でありながら体を包むように通り過ぎる初夏の海風は温かく柔らかい。
逸る気持ちを抑えタックルをセッティングしていると船頭がやってきた。
「昨日はものすごいシイラ暴れとったで。今日もええよ!」
船頭の言葉が心の燃料に点火する。
船は水面をゆるりと滑り出し、
沖へと方向を変えてからエンジンは出力を上げていった。
ほな行くで!
ここは太平洋・熊野灘。
水の色に驚く。日本海とはまた違う美しい青色だ。
船頭が大きな声で言う。
「この青色の潮がシイラに最高なんや」
期待に胸を膨らませ、
ときおり魚群探知機に映るイワシの群れの大きさに驚き、
目前に広がる大海原に深呼吸をした。
漁港からたったの十数分でポイントである定置網へと到着。
定置網が張ってあるブイ付近に集まるシイラを狙う。
船は減速し、船頭から合図が掛かる。
「ええよ!」
投げたドラドポッパーが激しくスプラッシュ。
数投目、開始からたったの数分で水面が割れる!
フッキングに至らなかったものの祭りになりそうな予感・・・・・・。
目の前まで寄ってきたメーター近い1尾に
すかさずドラドポッパーを投げ込み、
ロッドを下げて激しく振り回しルアーを足元でアクションさせると、
バシュッ!
喰ったー!うわーーバレたー!面白い!
すぐにルアーを回収し様子を伺う。
思いっきり活性が高いのを察知しここは一気に勝負に出る。
R801RXグラインダーに結んでいたドラドペンシル18F。
このバカでかいルアーでも喰うやろ。いや、是非喰わせてみたい。
そして淡水魚であるビワコオオナマズの10kg超を
いわしてきたグラインダーを海でも試したい。
豪快に投げたドラペン18Fは大きな放物線を描き豪快に着水。
すぐさま丁寧に、丁寧にアクションさせる。
高活性のシイラに対し今なら何でも喰うかも知れない。
だからこそ慌てない。高速巻きにしない。これが今回の作戦。
高活性だからこそ見切られにくい状態であると考え、
ヤツらが捕食しやすい状態を演出させるのだ。
小振りに小さく飛沫を出しながらドッグウォークするドラペン18F。
その背後から突如、高速で水面を切り裂き襲ってくる影!
一瞬の出来事のはずが全てがスローモーションに映る。
わわわー!
ドッシューーーーーン!
一部始終が脳裏に焼き付く。
ロッドに生命感、テンションが掛かったライン、
適正値にセッティングしていたドラグ。
ここから全てが解き放たれた。
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
ウッソーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?
これなにこれなにこれ!?
これなんやねんこれ!!
ナメてた。噂には聞いていたが想像を遥かに超えるファースト・ラン。
海の魚の力がえげつない。
コンクエスト400のスプールに巻かれた色付きPEラインは
見る見る色が変わり飛ぶように出て行く。
繰り返される疾走。
潜る、走る、回り込み、一気に浮上。
暴れ狂うという表現が正しい。
垂直に飛び上がったコバルトブルーの大きな魚体は
尾鰭まで水面上へと飛び出した。
凄まじい光景におもわず絶叫。
ファイトタイムが5分を経過した頃ようやく会話する余裕が出てきた。
船頭がニヤニヤと僕を見物している。
寄せては走られるを繰り返す・・・・・・。
長い。もう5分もファイトしているのか・・・・・・。
船頭 「これがシイラや。存分に引きを堪能したまえ」
「シイラが弱って色が変わるまでネットは出さんからの」
水面へとリフトし魚体を確認。
そろそろランディングに掛かろう。
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
これいつ止まるん?
僕とシイラの距離は寄せては返す波のよう。
そろそろランディングして欲しいと船頭に頼むと、
「いんや、まだ弱っとらん」
色が変わったら呼んでくれと言い残し、操船席の陰で休憩している・・・・・・。
約7分が過ぎた。
初物だけに慎重になったのもあり、おかげでシイラのファイトを堪能。
「よっしゃ。こっち寄せてみ」
のそりと出てきた船頭がネットを用意してくれた。
ネットに入った瞬間リールのクラッチを切りラインをフリーにする。
こうしないと魚が暴れた際にタックルが振り回され破損するからだ。
船頭が叫ぶ
「一人じゃ上げれん、お前手伝え!」
船に上げられた魚体の大きさに驚き僕は空を見上げ叫んだ。
120cm超。叉長でも100cm超え。
(さちょう=尾鰭の真ん中を計測)

※スタッフが美味しく頂きました。
「今期最大魚やの。にーちゃんが暫定1位やな」
おおきにおおきに!
固い握手を交わした。
・・・・・手を握られながら船頭が言った。
「にーちゃん、次150cm釣ったら乗船のタダ券やるからの」
そんなん無理やって・・・・・・。
心地良く波間に揺れる船の上で少し遅れたモーニングコーヒーを飲んだ。
朝の時合いはまだ続く。
澄んだ潮は着水と同時に遠くのシイラを呼び寄せ、
水面で魅惑するルアーにシイラ達は理性を失う。
ルアーの後ろや横から海面を切り裂きながら襲ってくる様に
釣人の理性が吹っ飛ぶ。
船上では 「ギャーー」 だの 「グワーー」 だの奇声が飛び交うが
「よっしゃー」の声が出ない。
勢いあるアタックを魅せるシイラだが、なぜかフッキングに至らないのだ。
事前に聞いた話では、
マグロやカツオ類に比べるとシイラは捕食がヘタクソだと教わったが、
どうやら釣人側に大きな問題がありそうだ。
そうこうしているうちに小一時間で時合いが終わったようだ。
そういえば出船前に言った船頭の言葉が気になる・・・・・・。
「ホンマは朝より夕方の方がええねん」
船頭!この状況はいかがなもんですか??
「こんな日はな、夕方爆発しよんで!わはは」
うわぁズバリ言うてしもた。
ここのルアー船は午前の部と午後の部に分かれているのだが
午前の部はもうアカンて事やん。
そんな時、漁師仲間から無線が入った。
「こっちにシイラぎょーさんいてるで~」
何釣り船か知らないが、
外道で掛かったシイラはすでに8枚(1尾を1枚と言うらしい)
早くおいで!との事だ。
エンジン全開で約15分走り到着したポイントには
目に見えるストラクチャー(障害物)はない。
シイラは基本的に障害物絡みを狙って釣るらしく、
何もない沖へ半信半疑ながらもルアーをキャスト。
先ほどより少々高い波間でアピールさせる為に、
ドラドポッパーのスプラッシュを派手に上げてアクションさせていると
ドカーン!
突如、魚体の半分を海面へ出す勢いでルアーは襲われる。
しかし乗らない。
ルアーは数メートル吹っ飛ばされ大笑い。
一見ポイントらしいものは何もないのだが
どうやらシイラ達はイワシの群れに付いているようだ。
水面をルアーで激しく騒がせると
バッシューン!
何度も繰り返されるがなぜかフッキングに至らない。
そうこうするうちにチェイス(追尾)のみでルアーは見切られる始末。
ルアーをとっかえひっかえ目先を変えるも結果は同じ。
さあここからが魚釣りの面白い所。
簡単に喰わない魚をどうやって釣る?
シイラ釣りが初めてで、事前に知識も詰め込んでこなかった。
シイラ釣りは水面や水面直下を引くルアーで釣るイメージが強い。
しかしここは柔軟な考えで対応だ。
魚群探知機に映し出される大きなイワシの群れ・・・・・・。
イワシの下に付いてるシイラをジグで狙うのはどうか。
この日はカツオやマサバ等の美味しい外道が釣れるかもしれぬと思い
100グラム前後のジグを数個用意していた。
ジグを底まで落としアクションを加えながら船頭に尋ねる。
シイラもええですけどカツオやサバは居ませんの?
「おらん」
即答ですね・・・・・・。
規則的なワンピッチジャークや、
ロングジャークを加えジグを横へ飛ばし反応を伺う。
海中から答えが帰ってきたのはジグが中層付近を通った時だった
ガツン!
喰いよった!
あ、外れた・・・
ガツン!追い喰い!
あ、また外れた~!
アシストフックのみでジグにリアフックをつけていないのが原因のようだ。
皮肉にもジグには歯型がクッキリ刻まれていたが
ジグで喰わせたのは大きな収獲だった。
その後、底から高速引きで上げてきたジグに
シイラが水面近くまで追尾してきたのを何度か目撃できた。
釣れなかったのになんたる清々しい気分。
その後反応が無くなり、朝のポイントに戻る途中、
多数の海藻が浮いていた。
何もない沖にある浮遊海藻群はシイラのコンタクトポイントとのこと。
この時、直感的に結んだルアーは
Whiplash factoryのドライヴィンワイア。
魚探にはイワシの反応もあり良さそうだ。
140mmのルアーを見切るならシルエットを小さくし
違和感なく喰わしてやろうとの思惑だ。
ドライヴィンワイアはウエイトバランスとボディ形状の相乗効果で
飛距離は抜群。めちゃくちゃ飛ぶ。
そしてボディは頑丈。
ボディサイズとその重さで飛沫を飛ばす事もでき、
アクション次第で水面下を連続スライドさせる事も可能。
スピニングタックルに持ち替え、
激しくも丁寧にアクションをさせていた1投目。
ジャアーーーーーーッ!
切り裂かれる水面
バッシューーン!
横っ飛びでシイラが襲ってきた!
その勢いはリールを巻く速度を超えたが、
ロッドワークでなんとかフッキングは決まる。
追い合わせもくれてやり戦闘開始!
紺碧の海に吠える
おっしゃーー喰った喰った!
だーーっ走る走る!
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
ドラグ音の悲鳴。
高速回転するスプールの文字が霞む。
両手でフォアグリップを握りファーストランに耐える。
偏光グラス越しに映るシイラの体色は例えようもない美しさ。
その美しさに溜息する。
と、水面まで一気に浮上させて気が付いた。
リアフック1本掛かりやん・・・・・・。
いつ外れるかも知れない状態に、
船頭ネットお願いします!
「いんや、まだ弱っとらん」
またですか・・・・・・。
シイラは船の下で大きく円を描くように泳ぎ、
船底にラインが擦らないようにロッドを下げて対応する。
ヤツは何度も何度も円を描く。
船頭~バレる前にそろそろネットを・・・・・・
「んん~~まだやな」
・・・・・・。
しまいに浮遊していた海藻がラインに絡み修羅場と化すが、
メーター超のシイラを逃がすわけにはいかない。
ここまで3分程度。
「にーちゃん、そろそろいこか!」

やっとのことで船頭から合図が掛かり寄せに入るが、
ルアー付近に絡まるウィードの塊がカムルチー釣りそのものだ。
ここ海やんな。
船頭「よーしそのままそのまま・・・・・・」
ウッヒョ~~~ッ!また走ったべ魚紳さーーん!
オラこんただサカナ初めてだなや!
「フフフ三平くん、シイラは地方により万力と呼ばれるほど
引きが強いので有名なんだ」
そんただこと言っても魚神さん!こりゃあいってえどうなってるだ!?
ンギギーーーーーーッ
今度はしっかり頼んだぞー!キャプテン・エイハブ!
よっしゃ!ドライヴィンワイアでメーター超獲った!

※船頭が美味しく頂きました。
強い陽射しの中キャストを続けるが、
これを最後にシイラのチェイスも無くなった。
「もうアカンな。帰るでえ」
まだ終了時間になっていないのに早上がりで帰港となった。
恵まれた天気、素晴らしい景色。
十分堪能した。本当に楽しかった。
これ以上は贅沢ってものだろう。
まあえっかあ!
今日は最高の一日でした。船頭おおきにです!!
「こんな日はなあ、夕方爆発しょんで!」
後ろ髪引かれるようなことを・・・・・・イジワル。
潮風の仄かな香りと共に帰路に着く。
釣行前の過程を楽しみ、当日は釣りを堪能し、
釣行後に濃厚な一日を振り返る。
魚釣りは楽しい。
2007.6.吉日
☆あとがき
釣友から、昔の釣行記は読めないんですか?と言われ、
また別の釣友からも、最新の釣行記を読ませてほしいと。
こういったお言葉がありがたく、カテゴリを増やしたいこともあり、
昔の釣行記を編集して投稿してみました。
幼い頃にテレビで見た海の大物釣り番組は、
自分の住む世界と違う別の世界の話だと思っていた。
これから狙いに行く魚の名前はシイラ。
100cmをゆうに超えるものもいるという。
初めて狙うシイラという魚についての予備知識は無く、
あえてインターネットで検索をせず、関連雑誌も見ずに今日まできた。
その代わりシイラ釣りの経験者である釣友から
リアルな話を聞くことができ、
生態等々を教えてもらい漠然とではあるがシイラ釣りのイメージが浮かんだ。
向かうは三重県熊野灘。
毎度のことながら釣行前夜は寝つきが悪い。
何歳になっても遠足前夜症候群。
ソファーで横になり目を瞑っても数時間後に起こるであろう
都合の良い映像が瞼の裏を駆け巡り、
そうこうしているうちに出発時間となる。
大雨の天気予報は大きく外れ、空には満点の星空。
夜空が仄白くなってきた頃、定刻通り目的地である漁港へ到着。
早朝でありながら体を包むように通り過ぎる初夏の海風は温かく柔らかい。
逸る気持ちを抑えタックルをセッティングしていると船頭がやってきた。
「昨日はものすごいシイラ暴れとったで。今日もええよ!」
船頭の言葉が心の燃料に点火する。
船は水面をゆるりと滑り出し、
沖へと方向を変えてからエンジンは出力を上げていった。
ほな行くで!
ここは太平洋・熊野灘。
水の色に驚く。日本海とはまた違う美しい青色だ。
船頭が大きな声で言う。
「この青色の潮がシイラに最高なんや」
期待に胸を膨らませ、
ときおり魚群探知機に映るイワシの群れの大きさに驚き、
目前に広がる大海原に深呼吸をした。
漁港からたったの十数分でポイントである定置網へと到着。
定置網が張ってあるブイ付近に集まるシイラを狙う。
船は減速し、船頭から合図が掛かる。
「ええよ!」
投げたドラドポッパーが激しくスプラッシュ。
数投目、開始からたったの数分で水面が割れる!
フッキングに至らなかったものの祭りになりそうな予感・・・・・・。
目の前まで寄ってきたメーター近い1尾に
すかさずドラドポッパーを投げ込み、
ロッドを下げて激しく振り回しルアーを足元でアクションさせると、
バシュッ!
喰ったー!うわーーバレたー!面白い!
すぐにルアーを回収し様子を伺う。
思いっきり活性が高いのを察知しここは一気に勝負に出る。
R801RXグラインダーに結んでいたドラドペンシル18F。
このバカでかいルアーでも喰うやろ。いや、是非喰わせてみたい。
そして淡水魚であるビワコオオナマズの10kg超を
いわしてきたグラインダーを海でも試したい。
豪快に投げたドラペン18Fは大きな放物線を描き豪快に着水。
すぐさま丁寧に、丁寧にアクションさせる。
高活性のシイラに対し今なら何でも喰うかも知れない。
だからこそ慌てない。高速巻きにしない。これが今回の作戦。
高活性だからこそ見切られにくい状態であると考え、
ヤツらが捕食しやすい状態を演出させるのだ。
小振りに小さく飛沫を出しながらドッグウォークするドラペン18F。
その背後から突如、高速で水面を切り裂き襲ってくる影!
一瞬の出来事のはずが全てがスローモーションに映る。
わわわー!
ドッシューーーーーン!
一部始終が脳裏に焼き付く。
ロッドに生命感、テンションが掛かったライン、
適正値にセッティングしていたドラグ。
ここから全てが解き放たれた。
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
ウッソーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?
これなにこれなにこれ!?
これなんやねんこれ!!
ナメてた。噂には聞いていたが想像を遥かに超えるファースト・ラン。
海の魚の力がえげつない。
コンクエスト400のスプールに巻かれた色付きPEラインは
見る見る色が変わり飛ぶように出て行く。
繰り返される疾走。
潜る、走る、回り込み、一気に浮上。
暴れ狂うという表現が正しい。
垂直に飛び上がったコバルトブルーの大きな魚体は
尾鰭まで水面上へと飛び出した。
凄まじい光景におもわず絶叫。
ファイトタイムが5分を経過した頃ようやく会話する余裕が出てきた。
船頭がニヤニヤと僕を見物している。
寄せては走られるを繰り返す・・・・・・。
長い。もう5分もファイトしているのか・・・・・・。
船頭 「これがシイラや。存分に引きを堪能したまえ」
「シイラが弱って色が変わるまでネットは出さんからの」
水面へとリフトし魚体を確認。
そろそろランディングに掛かろう。
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
これいつ止まるん?
僕とシイラの距離は寄せては返す波のよう。
そろそろランディングして欲しいと船頭に頼むと、
「いんや、まだ弱っとらん」
色が変わったら呼んでくれと言い残し、操船席の陰で休憩している・・・・・・。
約7分が過ぎた。
初物だけに慎重になったのもあり、おかげでシイラのファイトを堪能。
「よっしゃ。こっち寄せてみ」
のそりと出てきた船頭がネットを用意してくれた。
ネットに入った瞬間リールのクラッチを切りラインをフリーにする。
こうしないと魚が暴れた際にタックルが振り回され破損するからだ。
船頭が叫ぶ
「一人じゃ上げれん、お前手伝え!」
船に上げられた魚体の大きさに驚き僕は空を見上げ叫んだ。
120cm超。叉長でも100cm超え。
(さちょう=尾鰭の真ん中を計測)
※スタッフが美味しく頂きました。
「今期最大魚やの。にーちゃんが暫定1位やな」
おおきにおおきに!
固い握手を交わした。
・・・・・手を握られながら船頭が言った。
「にーちゃん、次150cm釣ったら乗船のタダ券やるからの」
そんなん無理やって・・・・・・。
心地良く波間に揺れる船の上で少し遅れたモーニングコーヒーを飲んだ。
朝の時合いはまだ続く。
澄んだ潮は着水と同時に遠くのシイラを呼び寄せ、
水面で魅惑するルアーにシイラ達は理性を失う。
ルアーの後ろや横から海面を切り裂きながら襲ってくる様に
釣人の理性が吹っ飛ぶ。
船上では 「ギャーー」 だの 「グワーー」 だの奇声が飛び交うが
「よっしゃー」の声が出ない。
勢いあるアタックを魅せるシイラだが、なぜかフッキングに至らないのだ。
事前に聞いた話では、
マグロやカツオ類に比べるとシイラは捕食がヘタクソだと教わったが、
どうやら釣人側に大きな問題がありそうだ。
そうこうしているうちに小一時間で時合いが終わったようだ。
そういえば出船前に言った船頭の言葉が気になる・・・・・・。
「ホンマは朝より夕方の方がええねん」
船頭!この状況はいかがなもんですか??
「こんな日はな、夕方爆発しよんで!わはは」
うわぁズバリ言うてしもた。
ここのルアー船は午前の部と午後の部に分かれているのだが
午前の部はもうアカンて事やん。
そんな時、漁師仲間から無線が入った。
「こっちにシイラぎょーさんいてるで~」
何釣り船か知らないが、
外道で掛かったシイラはすでに8枚(1尾を1枚と言うらしい)
早くおいで!との事だ。
エンジン全開で約15分走り到着したポイントには
目に見えるストラクチャー(障害物)はない。
シイラは基本的に障害物絡みを狙って釣るらしく、
何もない沖へ半信半疑ながらもルアーをキャスト。
先ほどより少々高い波間でアピールさせる為に、
ドラドポッパーのスプラッシュを派手に上げてアクションさせていると
ドカーン!
突如、魚体の半分を海面へ出す勢いでルアーは襲われる。
しかし乗らない。
ルアーは数メートル吹っ飛ばされ大笑い。
一見ポイントらしいものは何もないのだが
どうやらシイラ達はイワシの群れに付いているようだ。
水面をルアーで激しく騒がせると
バッシューン!
何度も繰り返されるがなぜかフッキングに至らない。
そうこうするうちにチェイス(追尾)のみでルアーは見切られる始末。
ルアーをとっかえひっかえ目先を変えるも結果は同じ。
さあここからが魚釣りの面白い所。
簡単に喰わない魚をどうやって釣る?
シイラ釣りが初めてで、事前に知識も詰め込んでこなかった。
シイラ釣りは水面や水面直下を引くルアーで釣るイメージが強い。
しかしここは柔軟な考えで対応だ。
魚群探知機に映し出される大きなイワシの群れ・・・・・・。
イワシの下に付いてるシイラをジグで狙うのはどうか。
この日はカツオやマサバ等の美味しい外道が釣れるかもしれぬと思い
100グラム前後のジグを数個用意していた。
ジグを底まで落としアクションを加えながら船頭に尋ねる。
シイラもええですけどカツオやサバは居ませんの?
「おらん」
即答ですね・・・・・・。
規則的なワンピッチジャークや、
ロングジャークを加えジグを横へ飛ばし反応を伺う。
海中から答えが帰ってきたのはジグが中層付近を通った時だった
ガツン!
喰いよった!
あ、外れた・・・
ガツン!追い喰い!
あ、また外れた~!
アシストフックのみでジグにリアフックをつけていないのが原因のようだ。
皮肉にもジグには歯型がクッキリ刻まれていたが
ジグで喰わせたのは大きな収獲だった。
その後、底から高速引きで上げてきたジグに
シイラが水面近くまで追尾してきたのを何度か目撃できた。
釣れなかったのになんたる清々しい気分。
その後反応が無くなり、朝のポイントに戻る途中、
多数の海藻が浮いていた。
何もない沖にある浮遊海藻群はシイラのコンタクトポイントとのこと。
この時、直感的に結んだルアーは
Whiplash factoryのドライヴィンワイア。
魚探にはイワシの反応もあり良さそうだ。
140mmのルアーを見切るならシルエットを小さくし
違和感なく喰わしてやろうとの思惑だ。
ドライヴィンワイアはウエイトバランスとボディ形状の相乗効果で
飛距離は抜群。めちゃくちゃ飛ぶ。
そしてボディは頑丈。
ボディサイズとその重さで飛沫を飛ばす事もでき、
アクション次第で水面下を連続スライドさせる事も可能。
スピニングタックルに持ち替え、
激しくも丁寧にアクションをさせていた1投目。
ジャアーーーーーーッ!
切り裂かれる水面
バッシューーン!
横っ飛びでシイラが襲ってきた!
その勢いはリールを巻く速度を超えたが、
ロッドワークでなんとかフッキングは決まる。
追い合わせもくれてやり戦闘開始!
紺碧の海に吠える
おっしゃーー喰った喰った!
だーーっ走る走る!
ジィーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!
ドラグ音の悲鳴。
高速回転するスプールの文字が霞む。
両手でフォアグリップを握りファーストランに耐える。
偏光グラス越しに映るシイラの体色は例えようもない美しさ。
その美しさに溜息する。
と、水面まで一気に浮上させて気が付いた。
リアフック1本掛かりやん・・・・・・。
いつ外れるかも知れない状態に、
船頭ネットお願いします!
「いんや、まだ弱っとらん」
またですか・・・・・・。
シイラは船の下で大きく円を描くように泳ぎ、
船底にラインが擦らないようにロッドを下げて対応する。
ヤツは何度も何度も円を描く。
船頭~バレる前にそろそろネットを・・・・・・
「んん~~まだやな」
・・・・・・。
しまいに浮遊していた海藻がラインに絡み修羅場と化すが、
メーター超のシイラを逃がすわけにはいかない。
ここまで3分程度。
「にーちゃん、そろそろいこか!」
やっとのことで船頭から合図が掛かり寄せに入るが、
ルアー付近に絡まるウィードの塊がカムルチー釣りそのものだ。
ここ海やんな。
船頭「よーしそのままそのまま・・・・・・」
ウッヒョ~~~ッ!また走ったべ魚紳さーーん!
オラこんただサカナ初めてだなや!
「フフフ三平くん、シイラは地方により万力と呼ばれるほど
引きが強いので有名なんだ」
そんただこと言っても魚神さん!こりゃあいってえどうなってるだ!?
ンギギーーーーーーッ
今度はしっかり頼んだぞー!キャプテン・エイハブ!
よっしゃ!ドライヴィンワイアでメーター超獲った!
※船頭が美味しく頂きました。
強い陽射しの中キャストを続けるが、
これを最後にシイラのチェイスも無くなった。
「もうアカンな。帰るでえ」
まだ終了時間になっていないのに早上がりで帰港となった。
恵まれた天気、素晴らしい景色。
十分堪能した。本当に楽しかった。
これ以上は贅沢ってものだろう。
まあえっかあ!
今日は最高の一日でした。船頭おおきにです!!
「こんな日はなあ、夕方爆発しょんで!」
後ろ髪引かれるようなことを・・・・・・イジワル。
潮風の仄かな香りと共に帰路に着く。
釣行前の過程を楽しみ、当日は釣りを堪能し、
釣行後に濃厚な一日を振り返る。
魚釣りは楽しい。
2007.6.吉日
☆あとがき
釣友から、昔の釣行記は読めないんですか?と言われ、
また別の釣友からも、最新の釣行記を読ませてほしいと。
こういったお言葉がありがたく、カテゴリを増やしたいこともあり、
昔の釣行記を編集して投稿してみました。
2022年10月27日
フライフィッシングでドジョウ釣り
ドジョウなのか、
もしかするとスジシマドジョウ小形種山陰型なのかしら。
種の同定以前にピントが出ていないことに泣けてくる。
崇高なフライフィッシャーは絶対にしないであろうドジョウ釣りだが、
棚田の横にドジョウを見つけ、
24番のミッジを使いサイトフィッシングで狙ってみた。
ついでにヤマメとニッコウイワナも。
2022年10月26日
仲秋の風物詩ロウニンアジ釣り
スズキ目アジ科ギンガメアジ属
標準和名:浪人鯵 ロウニンアジ
釣魚名:メッキ・GT (英名ジャイアント・トレバリー)
兵庫県のお知り合いが南国の地磯に飛び、
成魚のロウニンアジを釣る挑戦を何年も続けている。
そんな激アツの話を夜の川原で聞かせてもらったが、
世の中にはとんでもない釣人がいるものだと興奮した。
僕は近場でロウニンアジの幼魚を。
次は岸釣りで成魚を狙う計画を夢想してみましょうか。

2022年10月25日
は?めんどくさ。釣場でジジイバサーが指示してきました。
コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属
標準和名:白鰭田平 シロヒレタビラ
いつも99.9%創作ブログだけど今回は本当の話。
数十年振りにシロヒレタビラを釣った。
ふと初めて釣った時を思い出す。
それは中2の春で、まだまだ陽射しが恋しい季節だった。
朝が動き出す前から釣り好き同級生三人組で淀川水系へオオクチバス釣りに
やってきたものの、
急に体調不良に陥り熱も出てきてとてもじゃないけど
バス釣りをする気分になれなかった。
そこで僕だけ座ってできる釣りをすることにした。
ワンドの奥に静かで小さな水路があり、
そこへ延べ竿を差し出しモツゴを釣るつもりだったのに、
釣れてくれたのは婚姻色も鮮やかなシロヒレタビラの雄。
あまりの美しさに見惚れるのと同時に、
とんでもないのが釣れたと興奮。
それはまるで熱帯魚のようで、
これには同級生達もバス釣りそっちのけでタナゴ釣り開始。
今思えば季節的にシロヒレタビラが産卵のために本流から入ってきたのだろう。
あれからシロヒレタビラを釣ったことがなく、
釣れてくるのはそれ以外のタナゴ属。
またシロヒレタビラを釣ってみたい気持ちだけはぼんやりと心の奥にあった。
イトウ釣りから帰ってくるなり、
釣熱に浮かされたようにタナゴ竿を持って淀川水系へ赴いた。
初めてシロヒレタビラと出会った場所も覗いてみたし、
仕事帰りの夕方にめちゃくちゃタナゴ属を釣った場所もまだあった。
でも初日はタナゴ属には出会えなかった。
二日目は数尾のカネヒラが何度も回遊してヒラを打ちまくっているのを目撃し、
意地になって釣ろうとするも完全無視。
藻類を無心に喰っているが、
針に付いた甘い香りの練り餌はお気に召しませんか、はあそうですか。
イトウなんてあっさり釣れたのに、
タナゴ属相手にボーズを繰り返すとはなんという体たらく。
この釣りめっちゃ難しいやん。
そして三日目。
またしても見えているカネヒラに翻弄されて肩をすくめ、
それはまるでアカメのボイルに決定打を探しあぐねるように。
近くに居た釣人は虫エサだったが、
これまた首を傾げていたので互いに傷を舐めあった。
今日はこれくらいにしておいてやろうと、
ひと気のない場所へ釣座を構えた。
見えている魚が釣れないなら、見えていない魚を狙う魂胆だ。
アカメもそうして釣れるようになったから方向性は間違えていないはず。
静かに水中を覗いてみるも魚の姿は見えず、
しかしながら姿が見えないのは不安。
なにはともあれ、視界が効かない深い場所へ仕掛けを落としてみる。
十秒も待たないうちに仕掛けを上げて練り餌を付ければ仕掛けを落とす。
浮子や仕掛けの僅かな揺れも見逃せないし、
待っていても釣れないので、
打ち返しの速さも含めてルアー釣りのそれどころではない忙しさ。
すると背後に人の気配。
「そこじゃない」
は?
振り向くとルアータックルを手にした親より年上のお年寄り。
またなんちゅうルアーをぶら下げてるんや。
「ここ。ここにタナゴがおるから」
そう指差したのは座った僕の足元。
でた。めんどくさ。
魚の姿なんて見えてないし。
バサーの分際でタナゴのナニを知ったようにと訝しげな眼差しで、
またまた~と返した。
「おるよ。いつもパンくずを投げたら寄ってくるから」
それブルーギルでしょ?
「いや、タナゴや」
パンを投げても浮くでしょ?
「口に入れたのを投げるねん。そしたら沈むやろ」
汚いってほんま。
「練り餌落としたらわかるから」
はいはいやってみるわと練り餌を水に落としてみた。
するとどこからともなく集まる数尾のタナゴの影に、あ・・・・・・。
どうも失礼しました。
これはギルではなくタナゴのようです。
御親切にありがとうございました。
ご年配の頬が緩んだ。
五尺の竿から四尺の竿に仕掛けを結び直し、
さらに竿の真ん中辺りを摘まんでさっそく足元へ針を落としてみる。
すぐさま小気味好い引きで
0.3号の道糸が水面を走り回った。
抜き上げた魚の姿に息をのむ。
尻鰭が白い。
心の奥にあった想いが一斉に込み上げる。
シロヒレタビラ・・・・・・。
小さく手が震えるのがわかった。
恋の季節は春なので婚姻色こそ出ていないけれど、
光の加減で魚体にほんのり青い面影を落とす。
小さな水槽になまめく姿態に釘付けになり、
幾度となくシャッターボタンを押した後、
シロヒレタビラを元居た所へ静かに帰した。
2022年10月24日
仲秋の風物詩ギンガメアジ釣り
スズキ目アジ科ギンガメアジ属
標準和名:銀紙鯵 ギンガメアジ
釣魚名:メッキ
初めての釣行前にバルサ材を削り数センチのスプラッシュ・ポッパーを製作。
水面を高速引きすると幼魚ながら親譲りの襲い方で喰ってきた。
釣り味は琵琶湖の浜から釣るハスと似たような感じがあり、
拍節の速い展開が自分の性に合う。
朝夕のまずめに喰い気が立つのもハスに似ており、
儚い時合いは興奮から寂寞へ。