2024年03月05日
イトウは心に宿る33
市の中心部から再出発し、一回、二回と交差点を曲がるだけで
いつ動物が飛び出してもおかしくない森の中になり、
いよいよ野生の王国らしくなってきた。
延々進むと広大な牧場が現れ、
これぞザ・北海道だと概ちゃんと喜んだのも束の間、
五分も経てば見飽きてしまう。
変化が乏しい変わらぬ景色。
道なりに進んでいるのに、
あれ、さっきこの道通ったよね?なんてボケも飛び出す。
北海道を好きになる色々な理由のひとつに、
広大な景色に惚れ、毎日この景色を眺めながら生活したくて
北海道に移住した人を知っているが、
我々には耐えられない苦痛だ。
ムッシュかまやつの
『なんにもない なんにもない まったくなんにもない♬』
が流れてこようというもの。
しかもこの道、ひっきりなしにフロントガラスに昆虫たちが衝突し、
昆虫好きを自負する僕でも嫌気がさすほどで、
どうやら体の柔らかいカゲロウやトビケラではなく、
牧場の堆肥を飛び回る昆虫だ。
そういえばGG共が乗るハーレー軍団を見かけたけれど、
フルフェイスじゃないし万歳ハンドルで
体の前面ムシだらけに違いない。
時速200km/h巡航が可能で、
リッターSSなら余裕で299km/h出せる道なのに、
制限速度が50km/hだなんて苦行でしかない。
積雪を考慮し一歩譲って60km/hでもないのかと。
野生動物の飛び出しが頻繁にあるので80km/hは無謀かつ無慈悲だけど。
道が単調である。景色が止まっている。進んでいる感じがしない。
何度でも言おう、この上なくつまらない。
そんな代り映えのない景色に、ある記憶が蘇ってきた。
そうだ、白バイ野郎ジョン&パンチだ。
こんな道路脇から緊急発進してくるんだ。
ほら、このいかにも速度取締りをしていそうな直線で
やっぱり餌食になった乗用車が停車していた。
先頭のペースカーに続き等間隔で走る後続車の全てが
小魚の群れとすれば、一匹だけ群れから外れて奇抜な行動に出ると、
群れを眺めるだけのおとなしかった捕食者が
急に興奮して襲い掛かる。
魚釣り愛好家であれば、
そのような光景を目の当たりにしたことがあるだろう。
結果、一定の速度で走行していたお利口さんの車列が、
違反車両を横目に通り過ぎる。
地獄の道はまだ続き、道の長さの分だけ北海道が嫌いになってきた。
これだけ走ってもコンビニすら見当たらないことを
概ちゃんに投げかけると、彼女も気づいていた。
そう、だってここは北海道だもの。
遥々マクドナルドまで行けばイートインからの
テイクアウトする複合技が飛び出し、
燃料代を含めればもはやバリューセットとは呼べない。
以前ニュースで見たのは、
ローソン日本最北店のオープン日には大勢が押し掛け、
からあげクンを嬉しそうに大量購入していた人達の姿。
大手コンビニ三社に徒歩で行ける環境に住んでいても、
これっぽっちもありがたみを感じられない
自分達は不幸なのかもしれない。
いったいどれくらい走ったのだろう、
ようやく宿に到着する頃にはすっかり陽が沈み、空には星が瞬いていた。
その前に食料の買出しをせねばならず、
宿から最寄りのコンビニを検索すると、
似たような距離になんと三店舗も見つかるミラクル。
どれでもいいが少しでも近いコンビニを調べると、
なななんと車で九分も掛かる。
ほふく前進で掛かる時間かと思ったよ。
これは徒歩で行ける距離ではないし、
そんなことをすればヒグマに食料を奪取されるやつだ。
ちなみに箕面はニホンザルに食料を強奪されるが、
北海道に野生のニホンザルは生息していないらしい。
コンビニとはいえここは北の地、
念の為に営業時間を調べるとやはり24h営業ではなかった。
油断していると危ないところだ、
ここは北海道なんだぞと何度も自分に言い聞かせる。
そうして向かったコンビニは、
北海道でメジャーなセイコーマート。念願のセコマだ。
事前に調べていたが、ホットシェフという店内で
調理したお弁当が人気なのだ。
店内に入ると、あ、あぁという心の声が漏れた。
女性スタッフが金髪だったのだ。
1980年代を最後にお目に掛かっていないので
郷愁に駆られたのと同時に、
金の亡者としては縁起の良さを感じられた。
いつ動物が飛び出してもおかしくない森の中になり、
いよいよ野生の王国らしくなってきた。
延々進むと広大な牧場が現れ、
これぞザ・北海道だと概ちゃんと喜んだのも束の間、
五分も経てば見飽きてしまう。
変化が乏しい変わらぬ景色。
道なりに進んでいるのに、
あれ、さっきこの道通ったよね?なんてボケも飛び出す。
北海道を好きになる色々な理由のひとつに、
広大な景色に惚れ、毎日この景色を眺めながら生活したくて
北海道に移住した人を知っているが、
我々には耐えられない苦痛だ。
ムッシュかまやつの
『なんにもない なんにもない まったくなんにもない♬』
が流れてこようというもの。
しかもこの道、ひっきりなしにフロントガラスに昆虫たちが衝突し、
昆虫好きを自負する僕でも嫌気がさすほどで、
どうやら体の柔らかいカゲロウやトビケラではなく、
牧場の堆肥を飛び回る昆虫だ。
そういえばGG共が乗るハーレー軍団を見かけたけれど、
フルフェイスじゃないし万歳ハンドルで
体の前面ムシだらけに違いない。
時速200km/h巡航が可能で、
リッターSSなら余裕で299km/h出せる道なのに、
制限速度が50km/hだなんて苦行でしかない。
積雪を考慮し一歩譲って60km/hでもないのかと。
野生動物の飛び出しが頻繁にあるので80km/hは無謀かつ無慈悲だけど。
道が単調である。景色が止まっている。進んでいる感じがしない。
何度でも言おう、この上なくつまらない。
そんな代り映えのない景色に、ある記憶が蘇ってきた。
そうだ、白バイ野郎ジョン&パンチだ。
こんな道路脇から緊急発進してくるんだ。
ほら、このいかにも速度取締りをしていそうな直線で
やっぱり餌食になった乗用車が停車していた。
先頭のペースカーに続き等間隔で走る後続車の全てが
小魚の群れとすれば、一匹だけ群れから外れて奇抜な行動に出ると、
群れを眺めるだけのおとなしかった捕食者が
急に興奮して襲い掛かる。
魚釣り愛好家であれば、
そのような光景を目の当たりにしたことがあるだろう。
結果、一定の速度で走行していたお利口さんの車列が、
違反車両を横目に通り過ぎる。
地獄の道はまだ続き、道の長さの分だけ北海道が嫌いになってきた。
これだけ走ってもコンビニすら見当たらないことを
概ちゃんに投げかけると、彼女も気づいていた。
そう、だってここは北海道だもの。
遥々マクドナルドまで行けばイートインからの
テイクアウトする複合技が飛び出し、
燃料代を含めればもはやバリューセットとは呼べない。
以前ニュースで見たのは、
ローソン日本最北店のオープン日には大勢が押し掛け、
からあげクンを嬉しそうに大量購入していた人達の姿。
大手コンビニ三社に徒歩で行ける環境に住んでいても、
これっぽっちもありがたみを感じられない
自分達は不幸なのかもしれない。
いったいどれくらい走ったのだろう、
ようやく宿に到着する頃にはすっかり陽が沈み、空には星が瞬いていた。
その前に食料の買出しをせねばならず、
宿から最寄りのコンビニを検索すると、
似たような距離になんと三店舗も見つかるミラクル。
どれでもいいが少しでも近いコンビニを調べると、
なななんと車で九分も掛かる。
ほふく前進で掛かる時間かと思ったよ。
これは徒歩で行ける距離ではないし、
そんなことをすればヒグマに食料を奪取されるやつだ。
ちなみに箕面はニホンザルに食料を強奪されるが、
北海道に野生のニホンザルは生息していないらしい。
コンビニとはいえここは北の地、
念の為に営業時間を調べるとやはり24h営業ではなかった。
油断していると危ないところだ、
ここは北海道なんだぞと何度も自分に言い聞かせる。
そうして向かったコンビニは、
北海道でメジャーなセイコーマート。念願のセコマだ。
事前に調べていたが、ホットシェフという店内で
調理したお弁当が人気なのだ。
店内に入ると、あ、あぁという心の声が漏れた。
女性スタッフが金髪だったのだ。
1980年代を最後にお目に掛かっていないので
郷愁に駆られたのと同時に、
金の亡者としては縁起の良さを感じられた。
Posted by Миру Україні at 07:07
│イトウ