2018年10月31日
これぞ鱸釣りの醍醐味

小~中学生の頃に夢を与えてくれたバイブル、
『海づり入門』だったか『スズキのすべて』に書かれていた、
「波の中にスズキが見える」。
今でも覚えている強烈な文章だが、
これまでそのようなことを経験したことがなく、
そんなことあるんかな~?という思いだった。
というのも、波の中に映るスズキから想像するに、
それほどの波が立つ状況でスズキ釣りをするということになる。
しかもこれが釣れる状況だと示しているではないか。
ちなみに当時のスズキのルアー釣りは、
ジェット天秤にミノーを付け、浜から投げることだった。
さらに余談だけど、
コーモラン製でパッケージにスズキ用ルアーと書かれた
ミノーとジョイントミノーがセットになったものを
僕はお小遣いを貯めて買った。
ラパラは高嶺の花。手が届かなかった。
この時代にシーバスという呼び名はなく、
スズキはスズキである時代。
お知り合いに鱸釣師がいる。
良い悪いの意味ではなく、シーバスアングラーではなく、
不変のスズキのルアー釣りをされる方で、
どういった釣りをされるのかお手合わせ願いたいと思っていた。
ここでのお手合わせは、
もちろん勝負を挑もうなどという大それたことではない・・・・・・。
ちょーっとだけいつものスタイルを拝見したいなーーと。
ひょんなことから僕は鱸釣師の庭を通ることになり、
連絡を取ると朝一に待合せることが決まった。
天気予報を確認するとなるほど、
良い風が吹くらしく、スズキ日和だった。
現地に着き海を眺めるなり頬が緩む。
こういう状況、めっちゃ釣れそうで好きですよと笑ってしまう。
鱸釣師と合流して釣りを開始するなり、
風に負けて釣りにならず、
すぐにタックルを交換しに走る自分・・・・・・。
こういうのをスタートラインで転ぶという。
戻ってきたら、あら、鱸釣師は遥か向こうへ。
なんとテンポの速い釣り。
経験値が高いためスズキが居るであろうピンポイントのみを攻め、
さらに釣れるか釣れないかの判断処理が速い。
一投目で釣れる可能性が高い場所も押さえており、ず、ずるい。
仕切り直しでM168を投じると、
いきなりスズキと思われる魚が触った。
※Mを知らんとかやめてね。
喰わへんのかー、でもスズキが居ることを確信。
数投してBKF140にウエイトを貼ったもの、
続けてBKLM140も投げたが魚信ナシ。
なるほどなーと独り納得するフリをしてみる。
これ潜らせたらアカンのやね。たぶん。
そう、ここでも昔話に戻る。
THEフィッシングだったか、とびだせ!つり仲間だったか、
釣りロマンを求めてだったか、
んー、釣りごろつられごろではなかったはず。
磯からヒラスズキを狙っていた回で、
ミノーで喰わなかったので、
トップに交換してみますと釣人が言ったとき、
それはないやろ~と感じる、
ヒラスズキ釣りをしたこともない青年の頃。
しかし、即トッププラグで見事にヒラスズキを釣ったのだ。
魚は居たけどルアーを見切っていたことになる。
これも漠然とだけどソコだけ強烈に覚えている。
僕は伝家の宝刀BKRP140に交換。
いつでもどこでも効果的ではないが、
これまで記念すべき魚はBKRP140が連れてきた。
状況を選ぶルアー・・・・・・いままさにこの時やろ。
風を突っ切ってリップルポッパーが飛ぶ。
波のタイミングを見計らいながら泳がす速度を変える。
なんか釣れそう。ぜったい喰いそう。わくわくさせる。
スズキは居る。だから投げ続けられる。
ある瞬間、波が立ちスズキの魚影が波に映った。
波の中を横に走るスズキが、
波頭に突き上げられたリップルポッパー目掛けて飛びかかる!!
すげー!!
勢い余って魚体が波から飛び出すめっちゃ格好ええ喰い方!!
前日までめっちゃええ釣りできて大切な思い出あったのに、
そんなん全部霞むやーーん!
気付けばロッドに重みが乗っていて、
もう波が押し寄せしっちゃかめっちゃかで、
自分もスズキもえらいことになっていた気がする。
ラインはPE4号、リーダーはなななんと100ポンド。
フックも1/0の46か56だったので強気だが、
口切れだけが心配なので慎重かつ大胆に。
でも傍からみたら、
どたばたして笑われるようなやりとりだったと思う。
斯くしてスズキとの汀の乱は僕に軍配が上がった。
僕が思い描くこれぞ鱸釣り!ができた。
琵琶湖の浜で誰しもが怯んで竿をたたむ状況で、
オイシイ思いができることを知っている釣人なら
想像できると思うが、
それの数ランク、スケールアップした状況でのスズキ釣り。
以前からこの地でスズキを釣りたかったこと、
これぞ鱸釣りの醍醐味を味わいたかったこと、
波に映るスズキを見たかったこと。
一気に夢が叶ったー!!
少年の頃の自分よ、君はやったよ!!
この一尾は自分で掴んだものではなく、
鱸釣師にここへ招待してもらえたからこそであり、感謝。
それに優しいねー僕に釣られてくれたスズキ。
この学びから、
一から自分で組み立てて次の一尾に繋げる。
でもこんな若輩に釣れてくれるスズキはいるかしら?
最後に。
黎明期の鱸釣師は鬼籍に入っている方もいるとのこと。
そんな方々を見て育ったアツイ鱸釣師が魂を受け継ぎ、
静かに健在しております。


ロッド テンリュウ SR MASTER SRM-96L
リール ダイワ ソルティガ4500
ライン よつあみ ウルトラキャストマンPE4号
リーダー サンライン ナイロン100ポンド
ルアー タックルハウス BKRP140 リップルポッパー
どことはいわない某釣りブログと同じ某アウトドア通販サイトで
不人気カラーを投げ売りしていたのをまとめ買いしたもの。
一般的にオチアユ・カラーが不人気で超得した人。
Posted by Миру Україні at 07:07
│秋