2022年04月12日
緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦をどう思う?

春の琵琶湖でお目覚めカムルチー。
空気呼吸もよく見られるようになってきました。
緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦 という番組の名前を耳にした時、
取るに足らない番組だと感じておりましたが、
タイトルの緊急SOS!という書き出しが既に大袈裟であり、
どうせ視聴率稼ぎの内容でしょうと思っていたが、まさにその通り。
さらには煽りテロップに、外来種=悪という印象操作に疑問。
正義(在来種)と悪者(外来種)という脚本作りで番組を盛り上げる手法ね。
テレビ番組だからといって鵜呑みにしているとロシア政権のプロパガンダのように
都合よく意識を誘導されますよ。
これ本当?大袈裟では?といった風に。
外来種は悪であるという思考は危険であり、
「え、なんで?」
と思った貴方はいよいよ危険。
植物や動物、身の回りに沢山存在する外来種。
美しい花、美味しい野菜、愛玩動物などの外来種がいますよね。
でも社会に悪影響を及ぼさないなら人間に好都合なので問題にならない。
外来種といっても環境省が定める
特定外来生物や侵略的な外来種、
飼育はOKだけど野に放つのはNGだの、
外来種だけど大きな問題はないとされている種もいるわけで、
一括りに外来種は悪であり、
短絡的に緊急で駆除という思考になるのは間違いでありとても危険だ。
「外来種だ!殺してしまえ!」というのはレイシストそのものです。
以前、新聞記事にもなっていた例では、
池の外来魚を駆除したところ、
天敵がいなくなったことで別の外来種が増えて在来植物が消失し、
さらには在来種の希少昆虫(ヤゴ)が危機的状況になったと。
駆除するならば、慎重かつ計画的にすべきではと思う。
それに池の水を全部抜くことで水生植物はどうなる?
水生昆虫は?池の植物や生き物を捕食していた野鳥は?
特にカワセミの繁殖期は巣を守るパートナーと、
数羽の雛の腹を満たさねばならず、雄は頻繁に水中に潜って餌を捕り巣に運ぶ。
狭いテリトリーの中で奮闘していた池なのに、水が抜かれてどうなるのか。
プロデューサーは視聴率を稼ぎ、
参加者(一部を除く)はテレビに出演してはしゃぐ。
ギャラリー(一部除く)も同様。
一様に外来生物を駆除することのみに目を向けているように映る。
カムルチーは外来種だから駆除して、
ヤマトゴイは外来種だけど池に戻しました。
アホくさ。
同じ外来種でもカムルチーの見た目はよろしくないし、
水鳥の雛を捕食することもあるから殺す。
水生植物や在来魚の卵や幼魚の成魚も喰うヤマトゴイだけど、
水鳥の雛は食べそうにないし、昔から愛されている魚だから水に戻しましょう。
殺す・生かすの命の選択はそんな感じ?
在来種なのに、しかも益獣とされているのに、
見た目が気持ち悪いからとカナヘビ・ニホントカゲ・アオダイショウにシマヘビ等々を
見つけては殺す、昭和生まれのジジイやオッサンがいますね。
カムルチー殺し同様、コイツらはレイシストですよ。
最悪の人生最期を迎えますわ。
今年もカムルチー・フォトグラファーをしていますが、
カムルチーが生息する池の在来魚が激減していると感じることはないですね。
同じアジア原産の魚で爆発的に増えている印象もなく、
むしろ生息数を減らしている種だと感じています。
環境省も特定外来生物に指定していませんし、
自然観察者としても害魚ではないと感じています。
※カムルチーは特定外来生物ではなく、
我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある
外来生物ではないと判断されている。
荒俣宏著の世界大博物図鑑2魚類には文化1年(1804)に渡来したとあり、
もちろん明治元年(1868年)以前のことである。
Posted by Миру Україні at 07:07
│春