2022年06月08日
ネットに出したらあかんやつ。

念願叶い日中アオバズクを見つけられた。
淀川・琵琶湖水系生態系の頂点であり、
相当個体数が少ないらしい。
夏鳥を代表する野鳥のひとつアオバズクが、
遥々東南アジアから繁殖するべく日本へ渡ってきた。
ちなみにスリランカに生息するアオバズクは留鳥らしい。
もうひとつちなみにスリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテというのを
学校で習ったはずだし、
コルホーズとソフホーズの違いを説明できないなら幼稚園からやり直すべきだ。
閑話休題。
昨年、淀川水系ホタル観賞ポイントでアオバズクを発見。
しかもペアだった。
さらにはネズミを狩り美味しそうに食べているのも観察できた。
それはもう飛び上がるほど嬉しい出来事だった。
基本的にアオバズクを見ようとするならネット情報や
鳥友に有名ポイントを教えてもらうことになる。
アオバズク・ポイントの多くは、
寺社などの御神木に毎年営巣するからであり、
皆で情報を共有するので現場では三脚がズラリと並んでいるらしい。
僕はそういう場所が苦手だ。
そこまでして行こうとは思わないのだけど、
単独でアオバズクを発見するのは至難の業らしい。
確かにそう感じた。
偶然、夜間にアオバズクを発見したもののそれ以降、
日中に撮影しようと幾度となく探し回ったが五里霧中。
森の中の一本の木、そこから幾つも分かれる枝、さらに分かれる枝々。
それらを肉眼と双眼鏡で徹底的に確認。
90度ずれてまた確認。死角を消していくためそれを計4回繰り返し一本の木を終了。
そして隣の木。
途方もなく、そして気の遠くなるような地味な確認作業。
さすがにこの時ばかりは猫の手も借りたくなる。
相手は保護色。そして日中は動かない。
超高難度のかくれんぼ。
出会えるまで何十時間どころの話ではなく、何日掛かったことか・・・・・・。
どれだけ頑張ろうとも見つけられる保証などなく、
きっと労力を消費して燃え尽き症候群になり終わる確率の方が高い。
そう、単独でこんな無駄な時間の使い方をするなんて、
暇を持て余してるヤツにしかできないのだ。
そのかわり・・・・・・見つけた時の感動は一生もの。
何日目だったか、その日も夜明けから探し始め、
陽が傾き始めていた頃、もう気持ちは諦めていた。
そんな時、ある一角で歩みが止まった。
自分でもよくわからないけれど一点を凝視していた。
これまでにも自分の意識以外の本能というか直感というか、
理由がわからないまま歩みが止まり、しばらくすると
突如として目的の生き物が現れるときがある。
初めてのルリビタキもそうだし、今年はキビタキもそうだった。
この時も何か自分に訴えかけるものがあった。
この感覚・・・・・・なにか起こりそう。
突然、遠くでハト大のシルエットが枝から枝へ移るのが見えた。
トビの幼鳥?いやキジバトか?
続けざまにもう一羽、先の一羽を追うように飛ぶ姿が目に飛び込んだ。
こ、これは・・・・・・!!
静かに後ずさりし、距離を十分空けたところでカメラを取りに走った。
小走りではなく全力疾走だ。
それは例えるならK20Aエンジンを1万回転まで回すことだ。
もしくはアメコミあるあるの、
一度跳び上がって足がクルクル回ってぶっ飛んでいくアレだ。
僕は足がもつれることなくレブリミットに当たりまくりの全力疾走ができる。
なぜなら理由はココでは述べられない。
カメラを持って現場に戻るほんの少し手前で呼吸を整えた。
遠くから様子を伺うが何も見えない。
カメラのセッティングを済ませ、いざ。
草を踏んだ音に反応したか、遠くで鳥影が走った。
その行先を見失わないよう目で追う。
影が消えたところ、すなわちそこに居るはずなのだけど・・・・・・。
わからない。まったく見えない。
とりあえず撮影して画像を拡大して確認するも見当たらない。
しばらく待つ。
数匹のヒトスジシマカが鬱陶しい。
また影が飛んだ。
すかさず目ぼしいところを撮影してまた画像を拡大して確認するが
わからない。もどかしい。
おもいきって歩みを進め、また立ち止まり様子をうかがう。
随分時間が経過したとき・・・・・・ようやく姿を現した。
レンズを覗くと二羽いる。
そしてこちらを警戒している。
膠着状態が続いたものの危害を加えない相手だと判断してくれたのか、
警戒から解放された動きと表情になってきた。
至福の数分間。
数ショットと動画を撮影させてもらい早々に退去。
余計なプレッシャーを与えてはならないと考えるからだ。
これから営巣して繁殖行動をするのだろう。
彼らの生きる目的は子孫を残すこと。
この地が人間の手により壊滅されないよう、
元気な子供を産んで育ててほしい。
あとがき
アオバズクの有名ポイントはいざしらず、
基本的に場所を教えるのはご法度。
鳥友にアオバズクを見つけた報告をすると
どう反応するか試してみたところ・・・・・・おめでとうの言葉をいただいたものの、
場所を聞き出してくることはなかった。
さすがだなと感心。これよこれ。この信頼関係。
そのかわり、
オオルリやサンコウチョウの営巣場所を教えてくれないけどね。
当然、僕も聞かない。
Posted by Миру Україні at 07:07
│アオバズク